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大人バレエとバレエ鑑賞を楽しむための情報発信ブログ

大人バレエ自主トレ1ヶ月の成果は?【大人バレエ つれづれ】

発表会の反省からはじめたバレエ自主トレ。

約1ヶ月が経過しましたが、とりあえず、続けています。

 

自主トレをはじめたいきさつはこちら↓

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主に取り組んでいるのは、基本姿勢とアンディオールの改善。なかでも正しい骨盤と胸郭のアライメントが保てない原因と思われる、苦手な長座の克服など。

 

自主トレの成果は?

うーん、わからない 笑。

 

アンディオールは若干改善した気もする…。

現状の私のアンディオール。長座の姿勢で座骨で床を押した状態で開いています。

若干改善してもこの程度…。ビフォーの写真を撮っておけばよかったな。

バレエをはじめたばかりでも、もっと開く人はいっぱいいますよね。お恥ずかしい限りです。

「足先が開く=アンディオール」ではないことはわかってますが、ここが物理的に開けないと、その先もないですからね…。

 

長座の克服はまだまだ…。

変化が感じられていません。

 

しかも…整体に行ったら「前腿の外側がいつにもまして、張ってますね」と言われてしまった。そんなところを使ってたら、意味ないじゃん!なんですけど 笑。

 

バレエの自主トレって本当に難しいですね。先生がいないと正しく出来ているかの確信が持てないし、すぐに成果が出ないことばかり。これやってて意味あるのかと思いはじめてしまうと、なかなか続かない。

 

唯一はっきり成果と言えるのは、夜40分ぐらい身体を動かしてから寝るようになったら、眠りが深くなったこと。

睡眠大事ですからね。踊れる身体づくりには役立ってるかも!(本来の目的と違うけど)…

 

追記

8月30日にEテレでNHKアカデミアの吉田都さんの回の抜粋版が放送されていました。

今なら全編がNHKアカデミアのホームページで視聴できます。(いつまで公開なのかの情報が見当たりませんが…)

NHKアカデミア | NHKラーニング

最後の質問コーナーで、「自分の身体に向き合う」「自分の身体を理解する」ことの重要性や、「ただお稽古しているだけではもったいない!」「お稽古を通じて自分に何が必要かを理解する」というお話をされていました。

レッスンも自主トレもルーティンにせずに、自分の身体に向き合いながら続けていきたいと思います。

 

★最後までお読みいただき、ありがとうございました。

映画『新章 パリ・オペラ座〜特別なシーズンの始まり』【バレエシネマ 鑑賞メモ】

Bunkamura ル・シネマで、映画『新章 パリ・オペラ座〜特別なシーズンの始まり』を鑑賞しました。

上の写真はル・シネマで入場者に配られていたポストカード。エトワールのユーゴ・マルシャンが、舞台袖で『ラ・バヤデール』のコール・ド・バレエのリハーサルを眺めている写真。素敵…。(入場者プレゼントはなくなり次第終了とのことです。)

 

映画は現在も上映中。Bunkamura ル・シネマでは今のところ、2022年9月1日(木)までの上演スケジュールが発表されています。

新章パリ・オペラ座 特別なシーズンの始まり | ル・シネマ | Bunkamura

ル・シネマ以外の上映館は公式サイトでご確認ください。

映画『新章 パリ・オペラ座 ~特別なシーズンの始まり~』公式サイト

*記事には映画のストーリーも載せています。(ネタバレあり)

 

作品概要

映画『新章 パリ・オペラ座〜特別なシーズンの始まり』

監督:プリシラ・ピザート

2021年/フランス/73分/原題:Une saison (très) particulière

出演:パリ・オペラ座バレエ
アマンディーヌ・アルビッソン、レオノール・ボラック、ヴァランティーヌ・コラサント、ドロテ・ジルベール、リュドミラ・パリエロ、パク・セウン、マチュー・ガニオ、マチアス・エイマン、ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャン、ポール・マルク
アレクサンダー・ネーフ(パリ・オペラ座総裁)、オレリー・デュポン(バレエ団前芸術監督)

 

カメラが追っているのは、世界中が新型コロナの感染拡大に翻弄された2020年から2021年にかけてのパリ・オペラ座。

2020年6月、世界的なパンデミックで自宅待機になったダンサーたちが、3ヶ月ぶりにクラスレッスン再開。

年末劇場再開の公演、ヌレエフ版「ラ・バヤデール」に向けてのリハーサル風景。

再びの感染拡大で、公演は中止に。1日限りの無観客公演が行われ、世界に配信される。公演後、ポール・マルクがエトワールに任命される。

2021年6月、劇場には観客が戻り「ロミオとジュリエット」が上演される。ジュリエットを踊ったパク・セウンが、公演後エトワールに任命される。

 

”世界的パンデミック禍、バレエの殿堂に訪れた葛藤と静寂
新エトワール誕生までの軌跡を追った情熱のドキュメンタリー”

(公式サイトより)

情熱のドキュメンタリーとありますが、カメラはむしろ淡々とダンサーたちを捉えています。ダンサーたちへのインタビューが断片的に挟まれる以外は、煽るような演出やナレーションは一切なし。個人的にはとても観やすかったです。

リハーサルシーンは圧巻

映画には、クラスレッスン、リハーサル、ゲネプロ、本番と、ダンサーたちが踊るシーンがたくさん出てきます。

レッスンとは思えないほど情感豊かなクラスレッスンのシーン、舞台から袖に入った時のダンサーたちの荒い息遣い…。映像は普段見られないダンサーたちの姿を映し出します。

なかでも『ラ・バヤデール』のリハーサルのシーンは圧巻。

リハーサルシーンがたっぷり観られたのは、ユーゴ・マルシャン、ポール・マルク、アマンディーヌ・アルビッソン……。

キレのある踊りに、スタジオで見ていたダンサーたちから大きな拍手が(しかもラストまで待たずに)おきていたブロンズアイドルのポール・マルク。

ソロルのヴァリエーションのリハーサルで、体力の限界まで踊って、床に倒れこむユーゴ・マルシャン。

衣裳で隠されてしまわない分、ダンサーの身体が生々しく感じられて、迫力があります。

「僕らの体の生物学的時間との闘いだ」

断片的に挟まれるダンサーたちへのインタビューにも、印象的な言葉がたくさん出てきます。

誰もが踊れない、表現できない苦しさを語っていましたが、なかでもユーゴ・マルシャンの「僕らの体の生物学的時間との闘いだ」という言葉は重い。

42歳で定年になるパリ・オペラ座バレエ。ユーゴ・マルシャンのように今こそが活躍のときというダンサーはもちろん、伸び盛りの若手、キャリアの終盤を迎えているベテランダンサー、誰にとっても約20年前後の現役時代の時間を奪われることの重さはいかばかりでしょう。

 

舞台は観客とともに創るもの、という言葉もたくさん出てきました。

無観客公演になった『ラ・バヤデール』の配信を観ましたが、静まり返った観客席は映像で観ているだけでも胸が痛くなった…。

映画で映し出された舞台裏のダンサーたちも辛そうでした。観客とダンサーは双方向でつながっているんだなと改めて感じました。

そんななかで告げられた、ポール・マルクのエトワール昇進。本人のみならず、まわりのダンサーたちにとっても暗闇のなかの希望の光として、受けとめられていたような気がします。

 

配信の感想はこちら↓

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とにかく絵になるパリ・オペラ座

パリ・オペラ座ってこの手のドキュメンタリー映画、多いですよね。

ここ数年でも…

『新世紀、パリ・オペラ座』

『ミルピエ〜パリ・オペラ座に挑んだ男〜』

『パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち』

 

広報戦略のひとつなのか?

でもこれらの映画を見ると、パリ・オペラ座を映画にしたくなるのも頷ける。

スタジオや劇場、ダンサーたちのクラスやリハーサルの風景、舞台袖、メイク室、衣裳部屋…。どこをどう撮っても(もちろん撮影や演出のセンスも優れているのでしょうが)、パリ・オペラ座は絵になる。

ダンサーたちのレッスンウェアひとつとっても、ムードがあるんですよね。

映画の素材としては、最高なのでは?

余計な演出なしでも、この映像が見られれば、それだけで満足してしまう感じです。

おわりに

この映画を観ると、無性にパリ・オペラ座の公演が劇場で観たくなる。

現在では、ガラ公演やゲスト出演で、ダンサーの来日はできるようになっているけれど、やはり全幕の引っ越し公演が観たい!

次の来日公演が1日も早く実現するように祈ります。

 

パンデミック直前、ギリギリのタイミングで来日したパリ・オペラ座バレエの公演の記事はこちら。この公演のこと、今でもよく思い出します。

www.balletaddict.com

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ヌレエフ版『ラ・バヤデール』。1994年収録、主演はイザベル・ゲラン、ローラン・イレール。

 

★最後までお読みいただきありがとうございました。

『NHK バレエの饗宴2022』【バレエ 鑑賞メモ】

『NHK バレエの饗宴2022』を鑑賞しました。とても楽しみにしていたこの公演、当日の東京は台風が接近していてヒヤヒヤしましたが、予定どおり開催されました。

簡単な鑑賞メモです。

公演概要

『NHK バレエの饗宴2022』

2022年8月13日(土)14:00開演 

会場:NHKホール

指揮:冨田実里
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

【上演スケジュール】

第1部 14:00〜14:45(約45分)
Variations for four
Pas de quatre

休憩(20分)

第2部 15:05〜15:55(約50分)

牧神の午後への前奏曲
ウェスタン・シンフォニー

休憩(20分)

第3部 16:15〜17:00(約45分)
「ロメオとジュリエット」から
「ドン・キホーテ」から
Andante

 

例年だと日本のバレエ団の団体戦?といった様相だった『NHK バレエの饗宴』。2022年は趣が変わり、国内外で活躍する豪華出演者によるガラ公演でした。

Variations for four(バリエーション・フォー・フォー)


振付:アントン・ドーリン
音楽:キーオ

振付指導:ミハイル・カニスキン 振付指導補佐:山本康介
出演:

厚地康雄(元英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
清瀧千晴(牧阿佐美バレヱ団プリンシパル)
猿橋賢(イングリッシュ・ナショナル・バレエ ファースト・ソリスト)
中島瑞生(新国立劇場バレエ団アーティスト)

 

「Variations for four」は4人の男性ダンサーがテクニックを競い合う、男性版「パ・ド・カトル」とも言えそうな作品(雰囲気はまったく異なりますが)。振付のアントン・ドーリンは「パ・ド・カトル」の振付を復刻した人です。

難しそうだったな〜、この作品の振付。特にひとりずつのバリエーションの部分が、みんなちょっと苦しそうだった印象 笑。そんななかでも猿橋賢さんの歯切れの良いソロは目を引きました。

個人的に注目の新国立劇場バレエ団の中島端生さんは、長い腕の動きがエレガントで素敵でした。元プリンシパルやプリンシパルに混じっても、目を引く華があります(ひいき目?笑)。

白タイツに、4人それぞれのカラーとデザイン(地、風、火、水を表現しているらしい)の光沢のあるトップスという衣裳が暗めの照明に浮かび上がって綺麗でした。

Pas de quatre(パ・ド・カトル)

振付:アントン・ドーリン
音楽:プーニ

振付指導:ミハイル・カニスキン 振付指導補佐:山本康介
出演:

中村祥子(Kバレエカンパニー名誉プリンシパル)
水谷実喜(英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団プリンシパル)

菅井円加(ハンブルク・バレエ団プリンシパル)
永久メイ(マリインスキー劇場バレエ団ファースト・ソリスト)

 

素晴らしかった!美しすぎてちょっと涙が。

4人全員が、それぞれの個性としっかりしたテクニックで魅せてくれました。

 

以前の記事で、誰がどのパートを踊るのか予想しましたが、やはり年齢順でしたね。

以前の記事はこちら。チェリート役の金子扶生さんは、水谷実喜さんに変更になっています。

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中村祥子さんは、さすがの存在感と端正な踊り。まさにタリオーニにふさわしく、祥子さんなしでは成立しない舞台だったなと思います。

そして永久メイちゃん(どうしても”さん”ではなくて”ちゃん”付けしちゃう)!ふわっと漂う、どこまでも細く長い腕の美しいライン。メイちゃんのまわりだけ空気の質が違う感じ。

中村祥子さんと永久メイちゃんがふたりで踊るパートも、異なるふたりの個性が寄り添って調和しているさまが印象的でした。

こういう演目の菅井円加さんのたおやかさも好き。どんな踊り、役柄でも役にピタリとはまりつつ、菅井円加さんの個性も見えるところが素晴らしい。

 

厚地康雄さんのインスタグラムより。「Variations for four」と「Pas de quatre」の出演者。バレエ人生で1番の挑戦だったかも、とのコメントが。

 
 
 
 
 
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牧神の午後への前奏曲

振付:平山素子
音楽:ドビュッシー
フルート:高木綾子
出演:小㞍健太
   柴山紗帆(新国立劇場バレエ団ファースト・ソリスト)
   飯野萌子(新国立劇場バレエ団ソリスト)

当初は「小㞍健太 ほか」と発表されていたこの演目。新国立劇場バレエ団から柴山紗帆さんと飯野萌子さんがニンフの役で出演しました。

フルートの高木綾子さんがひとり舞台の上手に立って演奏する姿が、下手の鏡に写り込んでいるという、印象的な幕開け。そのあとさらにたくさんの鏡が舞台に降りてきて、そこに映り込むダンサーたちの姿と実像のダンサーたちが交差する装置が面白かった。

小㞍健太さんの身体から発せられる強いエネルギーには、いつも惹きつけられる。以前から舞台上ですごく大きく見えるなぁと思っていましたが、今回の演目では変幻自在というか、瞬間瞬間で大きく見えたり、小さく見えたりするのが印象的でした。

衣裳デザインは堂本敦子さん。ニンフの衣裳の大人な色合いが素敵。

小㞍健太さんは普通のシャツとズボン。小㞍健太さんは普段着キャラなのか、舞台で観るときは、いつもこんな衣裳の気がする 笑。

 

ウェスタン・シンフォニー

振付:ジョージ・バランシン
音楽:ケイ
出演:スターダンサーズ・バレエ団

第1楽章ソリスト 塩谷綾菜、林田翔平

第2楽章ソリスト 渡辺恭子、池田武志

第3楽章ソリスト 富岡玲美、関口啓

第4楽章ソリスト 喜入依里、飛永嘉尉

アメリカ開拓時代を舞台にした、バランシン振付の作品。パンフレットによるとバランシンは西部劇が好きだったらしい!

唯一バレエ団としての出演のスターダンサーズ・バレエ団。スタダンらしい演目を観せてくれました。度々上演している作品だけあって、コール・ド・バレエも含めて踊りこまれている感じがしました。

4つのパートに分かれていて、それぞれにソリストのペアが登場。

第2楽章の渡辺恭子さんはいつもながらキレのある踊り。池田武志さんは1番カウボーイらしい雰囲気があってカッコよかったです。

 

「ロメオとジュリエット」からバルコニーのパ・ド・ドゥ

振付:レオニード・ラヴロフスキー
音楽:プロコフィエフ
出演:永久メイ、ビクター・カイシェタ(オランダ国立バレエ団ソリスト)

 

永久メイちゃんの瑞々しいジュリエット、素晴らしかった。

永久メイちゃんを劇場で観るのは、2018年のマリンスキー劇場バレエ団の来日公演以来。来日公演のときは、すごい日本人が出てきたと感心したものの、とにかく華奢でやや線の弱い印象を受けたのですが、4年で全く印象が変わっていました。

華奢なのは相変わらずなのですが、存在感が全く違う。舞台の中心にいて当然と思わせる、強いオーラを感じました。

ロミオのビクター・カイシェタは、テックニック強い系の人かと思っていましたが、想像以上にエレガントで、ラインも美しかった。マリインスキーでたびたび組んでいただけあって、メイちゃんとは安定のパートナーシップがうかがえました。

ビクター・カイシェタは現在はマリインスキーから移籍して、オランダ国立バレエ団のソリスト。永久メイちゃんは今はどこを拠点にしているのだろう。インスタではモナコの恩師のところにいたりしたようですが。

メイちゃんが早く安心して、たくさんの舞台に立てるような状況になるように願ってやみません。

「ドン・キホーテ」からグラン・パ・ド・ドゥ

振付:マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー
音楽:ミンクス
出演:菅井円加、清瀧千晴

「パ・ド・カトル」からのキトリ。何を踊っても期待を裏切らない菅井円加さん。

揺るぎのないテクニックと明るいオーラで会場を沸かせました。シンプルなエシャッペだけでも、ここまで魅せられるなんて…。

この手のテクニックを見せつけるような演目って、ともすると「ドヤ顔」とか「イケイケ」な感じになりがちですが、菅井円加さんは絶対そっちにはいかないんですよね。知性と品格を感じさせます。

清瀧千晴さんも、円加さんパワーなのか、「Variations for four」より伸び伸びしていた気がする。ふたりのパートナーシップも良かったです。

Andante(新作)

振付:金森穣
音楽:バッハ
バイオリン:小林美樹
出演:中村祥子、厚地康雄

中村祥子さん、厚地康雄さんというキャリアの円熟期にあるふたりのダンサーに金森穣さんが振付けた新作。

哀感のあるバッハのバイオリン協奏曲にのせた、大人の男女のストーリーを感じさせる作品でした。

ふたりとも、はじめはシアーな素材のゆったりしたシャツやボトムを着ているのですが、踊りながらそれを脱いでいき、後半はふたりとも白の総タイツ姿に。

なにも隠すことのできない衣裳ですが、長いキャリアを経たふたりの身体がほんとうに美しかった。

おわりに

 この公演はNHKのBS8Kで中継されていたようですが、地上波での放送も決まっています。

2022年9月18日(日)21:00〜 Eテレ「クラシック音楽館」

あの感動をもう一度!放送を楽しみに待ちたいと思います。

★最後までお読みいただきありがとうございました。