「インサイド・バレエテクニックー正しいレッスンとテクニックの向上」
ヴァレリー・グリーグ著 ・上野房子訳
大修館書店
バレエをはじめて1年ぐらい経った時に買った本です。
引き上げ、ターンアウト、腕の使い方など、基本的な体の使い方がどうもわからない…何か参考になる本はないかと思って探しました。
本の概要
バレエの動きや技術を、解剖学や人体力学のアプローチで詳細に解説した本です。骨格や筋肉の構造などは、イラストを交えて説明されています。日本語版が出版されたのは1997年。20年以上のロングセラーです。チャコットやフェアリーなどのバレエショップでもお取り扱いがあります。
この本の前書きには「この本の情報は、おもに、プロのダンサーを目指して真面目に努力する、プロ志向の生徒向けのものです。」とあるように、かなり専門的、本格的な内容で、本来はプロ志望もしくは指導者向きに書かれた本です。
大人からバレエの生徒は想定外の読者でしょうが、理解できる部分だけでも役に立つのではないかと思います。
翻訳物特有の、若干の読みにくさはあります。
本の目次(抜粋)
第1章 体を正しく理解するための基礎知識
第2章 筋肉について知っておかなくてはならないこと
第3章 脊柱 バランスのみなもと
第4章 骨盤 バランスのコントロール・センター
第5章 股関節と正しいターンアウト
第6章 ウェストから上 胴体の上部とポール・ドゥ・ブラ
第7章 膝 ちょうつがい関節
第8章 足 すべての土台
第9章 レッスン用語について
第10章 まとめ
体の部位別に章立てされています。「第5章股関節」と「第6章ウェストから上の部分」の部分に一番ページが割かれています。
9章のレッスン用語については、バレエの先生からよく言われる言葉、例えば「プリエを使いなさい」が、実際はどんな意味を持つのかが解説されています。
印象に残ったところ・役に立ったところ
当時の私には第6章の「ポール・ドゥ・ブラの仕組み」が役に立ちました。
両手を開いた2番ポジションにして、上腕(肩から肘まで)を内旋、前腕(肘から手首まで)を外旋させる。腕が肩の位置、もしくは肩より低い位置にある時には、上腕は内旋している…
当時の先生も、同じように教えてくれていたとは思うのですが、この説明でやっと腑に落ちました。
腕を肩甲帯から独立させて回旋させる、肩峰を動かさないなどは未だにできていませんが(笑)
おわりに
バレエ・テクニックについての知識があるということと、実際に身につけるということは、全く別のことです。本を読んだからといって、できるようになるわけではありません。
でも、体で覚えることが難しい大人の場合、知っておくことも有効ではないかと…思いたい(笑)
★最後までお読みいただきありがとうございました。