「協力:新国立劇場バレエ団、監修:阿部さや子(←バレエチャンネルの編集長さん)」。この情報だけで、ほとんど説明も読まずにネットでポチってしまった書籍『楽しいバレエ図鑑』(小学館)。
届いてみたら…あれ?子供向けの本だった?「いきもの図鑑」みたいな、お子さん向けの図鑑でした 笑。(お子さん向けとは特別うたっていないのですが、文章の漢字にルビがふってあることからみても、メインターゲットはお子さんと思われます。)
でも読んでみると、なかなか面白い。ふんだんに掲載されている舞台やダンサーの写真はほぼ新国立劇場バレエ団のもの。新国立劇場バレエ団のファンの方なら、買って損のない一冊かもしれません。
もちろん、バレエを習っているお子さんや、はじめてバレエを観にいくお子さんへのプレゼントにも最適な一冊です。
内容と感想のご紹介です。
【『楽しいバレエ図鑑』目次】
ようこそ!バレエの世界へ
バレエって何?
バレエの歴史
バレエ名作ガイド
バレエをつくりあげる人びと
本番直前のリハーサル
バレエ劇場のひみつ
バレエを観に行きましょう
やってみましょう
新国立劇場バレエ団プリンシパル総出演
全編にわたって新国立劇場バレエ団のプリンシパルやダンサーたちが大勢登場します。
舞台、レッスン、リハーサルの写真はもちろん、バレエのテクニックやマイム、見せ場、パ・ド・ドゥなどを写真で解説している「バレエって何?」にも、プリンシパルの井澤駿さん、奥村康祐さん、小野絢子さん、福岡雄大さん、米沢唯さん、渡邊峻郁さんが総出演。
「バレエをつくりあげる人びと」のダンサーの項目では小野絢子さん、福岡雄大さん、米沢唯さんへのインタビューも掲載されています。
「ダンサーのメイク」のページでは、中家正博さんと五月女遥さんがメイクを披露。
4ページで読める「バレエの歴史」
いろいろな書籍で読める「バレエの歴史」も図表入りで4ページにまとめてあります。超ダイジェスト版ではありますが、逆に大きな流れがつかみやすいかも。
舞台写真が楽しめる「バレエ名作ガイド」
代表的な10作品を解説した「バレエ名作ガイド」は、新国立劇場バレエ団のレーパートリーガイドとしても楽しめる感じ。作品のあらすじとともに、さまざまな配役での過去の新国立劇場バレエ団の舞台写真が見られます。
2021/2022シーズンにこれから上演が予定されている『シンデレラ』『不思議の国のアリス』の作品解説も。
舞台裏がのぞける楽しさ
個人的に読み応えがあったのは「バレエをつくりあげる人びと」。舞台裏を支える多くの人びとの役割の説明や、インタビューが掲載されています。レペティトールやノーテーターの役割、レッスンピアニストとリハーサルピアニストの違いなども解説されていました。
また新国立劇場バレエ団の公演でもおなじみの指揮者アレクセイ・バクランさんへのインタビューも掲載されています。日本の観客の特徴などに触れられていて、興味深かったです。
劇場の舞台裏ものぞけます。「バレエ劇場のひみつ」では普段目にすることない新国立劇場のオーケストラピットへ降りていく階段や、舞台の下のクッション材のついたベニヤ板などの写真も。へ〜と思ったのは「舞台から1階後列と、2〜4階の最前列までの距離は、ほぼ同じです。」という説明。チケットを取るときの参考にしよう。
おわりに
新国立劇場バレエ団では2月26日(土)、27日(日)にエデュケーショナル・プログラム vol.1として「ようこそ『シンデレラ』のお城へ!」も上演されます。『楽しいバレエ図鑑』には鑑賞マナーや劇場での過ごし方も解説されています。公演の鑑賞前の予習としてもいいですね。
★最後までお読みいただきありがとうございました。