4月25日〜29日に開催された「バレエホリデイ@home」。中でも注目はバレエ・チャンネルとのコラボ企画「5日間日替わりオンラインレッスン」。今話題のZoomを使った双方向レッスンです。
4日目の4月28日(火)は小林十市さんのレッスンでした。レッスンの様子をレポートしてみたいと思います!
1日目のパリ・オペラ座バレエ教師のアンドレイ・クレムの「エレガント・バレエ・クラス」の体験レポートはこちら↓
小林十市さんのプロフィール
バレエ・チャンネルで連載中の小林十市さん。
1989年、20歳でスイス・ローザンヌのベジャール・バレエ・ローザンヌ(BBL)に入団。数々の作品で主役や主要な役を踊る。2003年に腰椎椎間板変性症のため退団。以後、世界各国のバレエ団でベジャール作品の指導を行う。また俳優として舞台やテレビ、映画へも出演。 現在はフランスのオランジュにて Orange Ballet Schoolを主宰している。ちなみに十市さんの祖父は人間国宝の柳家小さん、弟さんは落語家の柳家花緑さんです。
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オンラインレッスンスタート!
Zoomへの入室は主催者から送られてくるURLをクリックするだけ。10分前ぐらいに入室すると、アンドレイ・クレム先生の時と同じく7割ぐらいはビデオオンで参加されていました。アンドレイ・クレム先生の時よりは男の子やお子さんが多い印象。前回同様バレエ・チャンネルの編集長、阿部さんの姿も見えます。
もう小林十市さんもスタンバイ。南仏のご自宅の居心地の良さそうなお部屋が映し出され、2方向にある窓から明るい日差しが差し込んでいます。
十市さんは「意外にみんな自宅にバーがありますね。僕のバーは椅子と窓です。」とおっしゃっていました。確かに自宅バー率が高い…十市さんは普段も自分のバレエ教室の生徒にZoomレッスンしているそうですが、こんな人数ははじめてとのこと。Zoom参加者の人数を見ると90人弱でした。
「内側を使う」バー
18:30になり、レッスンスタート。前回同様、肝心なレッスンの記憶は途切れ途切れ。順番を覚えるのに必死で(笑)レッスン曲は滝澤志野さんのピアノ曲でした。
レッスンが始まると、まず順番の説明、左手バーはお手本あり、右手バーはお手本なしで十市さんは画面をチェック。お手本はアンドレイ・クレム先生より本格的に動いて見せてくれている印象。割とハイペースで進行します。
タンデュぐらいまでやったときでしょうか。阿部編集長から「右手バーのお手本もお願いします」とのリクエストが。参加者のどなたかが、Zoomのチャット機能を使ってリクエストしたらしい。しばし絶句の十市さん。おそらく心中は「そういうレベルなのか〜(がっくり)」。気を取り直してそこからは左右お手本を見せてくれました。(終わってから、90人もの参加者に見られながらのお手本は非常に疲れた…とおっしゃっていました。)
よくあった注意は「内側を使う」「内側を使って閉じる」「きっちりクロスさせる」。内側を使って寄せてくる動きが多く組み込まれていました。特に脚についてはやったことがない動き、コンビネーションも多くて、ちょっと戸惑いましたが新鮮でした。運動量も多かった気がします。
「押して上がる」センター
事前告知では全体で1時間の予定でしたが、バーだけで1時間近く行い、センターレッスンスタート。前回のオンラインレッスンで、左右がわからなくなるという失敗を踏まえ、先生のお手本と鏡合わせでやってしまおうと思っていたのですが、十市さんは左足前クロワゼからお手本を見せてくれていました。とてもやりやすかったです。
センターレッスンでの注意は「押して上がる」。プロムナード、ピルエットなどの時に上がろう上がろうと思うと安定しない、下方向に押すことで上がる、吐く息を大切に、というアドバイスがありました。インスタなどで披露されている安定感バツグンのピルエットの秘訣はこれでしょうか。
4つぐらいアンシェヌマンをやったところで突然センター終了。
小林十市さんらしさが炸裂のインプロヴィゼーション
ここで終わりと思いきや、そこから予告のあったインプロヴィゼーション(即興)がスタート!
全く経験のない分野でドキドキ。「両手の手のひらの間に光の玉があると思って動いてみる」からスタート。全然動けない…
さらにテーマを決めて制限の中で動いてみる。「背中かゆい」「低反発枕」「あいまみえない動き」「押してダメなら引いてみろ」…。これだけ見てもなんのことかわからないと思いますが、私も説明できません(汗)。こんなキーワードで動いて、という呼びかけでしたが、もちろん全然動けない…この辺からは十市さんの独壇場で、私はレッスン参加者というよりは観客になっていました。
最後は質問コーナーで盛り上がる
今回はレッスン終了後、質問コーナーがありました。
覚えているものだけでもあげてみると…
Q:好きなバレエの先生
A:スクール・オブ・アメリカン・バレーのスタンリー・ウィリアムズ
Q:好きなバレエ作品
A:ベジャールさんの20世紀バレエ団の頃の作品
Q:好きな音楽家
A:ワグナー、ベートーベン
Q:外出禁止で家でやっていること
A:レッスン、教室の生徒たちへのオンラインレッスン、ネットフリックス、ペットボトルチャレンジ…一日がすぎるのが早い
Q:飼っている犬の犬種、名前
A:コッカースパニエル、いさお(いさを?)
そしてもっとも印象に残ったのはこの質問の答え。
A:将来の夢は
Q:また舞台に立ちたい
楽しかった!来年もやってほしい
先生によってレッスンのムードも内容も全然違っていて面白かった!本当は5日間のレッスン全部参加したかったな。
小林十市さんは日本でも時々特別レッスンをされていて、興味はあったものの、なかなか参加する勇気がなかったんですよね。「大人向き入門レベル」と書いてあっても、参加すると「どこが入門?!」っていうことはよくあることだし…
今回のオンラインレッスンは、新型コロナウィルスの影響で「上野の森バレエホリデイ」が中止になった代わりに急遽決まった企画ですが、これ来年の「上野の森バレエホリデイ」でもやってほしいなあと思いました。もちろん生の舞台やリアルイベントは絶対に戻ってきてほしいのですが、オンラインレッスンや動画の特別配信も同時開催されたらいいな。
★最後までお読みいただきありがとうございました。