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バレエシーンも話題の『ミッドナイトスワン』【鑑賞レポート】

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バレエファンも見逃せない映画『ミッドナイトスワン』を観てきました。

どのへんが見逃せないかは、以前のブログで。↓

 

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【キャスト】

凪沙:草なぎ剛

桜田一果:服部樹咲(新人)

桜田早織(一果の母親):水川あさみ

洋子ママ(凪沙の勤める店のママ):田口トモロヲ

片平実花(バレエ教師):真飛聖

桑田りん(一果の親友):上野鈴華

桑田真祐美(りんの母親):佐藤江梨子

桑田正二(りんの父親):平山祐介

【ミッドナイトスワン・あらすじ】

内田英治監督のオリジナル脚本の『ミッドナイトスワン』。草なぎ剛さんが演じるトランスジェンダーとして生きる凪沙(なぎさ)と、親に育児放棄された少女、一果を描いた物語。新宿のニューハーフ・ショークラブで働く凪沙の元に、故郷広島から親戚の娘一果が預けられることになります。凪沙と暮らすうちに、バレエと出会い才能を開花させていく一果、いつしか一果の母になりたいと願うようになる凪沙

*以下の感想中には一部ネタバレがあります。

草なぎ剛と服部樹咲の存在感に圧倒される

 

 この2人がいなければこの映画は成立しなかったのではないか…そう感じさせるほど際立っていた、凪沙を演じる草なぎ剛、桜田一果を演じる服部樹咲、主役2人の存在感。

スクリーンに映っているのは、誰もが知っている「剛くん」ではなく、凪沙そのもの。物憂げで醒めた凪沙が、一果との出会いによって徐々に母性に目覚めていく変化も見事でした。

一方、服部樹咲さんはバレエ経験前提のオーディションで選ばれた全くの新人。本格的なバレエ経験と、暗く複雑な影をもつ少女の佇まい。この二つを併せ持つ少女がいたことが、まず驚きです。映画の中の一果はとてもセリフが少ないのですが、佇まいだけで、この少女が背負っているものを表現してしまう力がありました。

服部樹咲さんは作品中では、『白鳥の湖』の2幕のオデットのソロ、『アレルキナーダ』のコロンビーヌのバリエーションを踊っています。あくまでもストーリー中のワンシーンなので、服部樹咲さんのバレエをゆっくり鑑賞することはできませんが、オデットのアラベスクのポーズの美しさは印象に残りました。

インタビューなどを読むと今後は女優の道に進むようですが、本当にバレエ向きの身体条件が備わった人だけに、バレエも続けて欲しいと余計なことを願ってしまいます。

本編でも一果の上達はいきなりだった

この映画のバレエ監修は、新国立劇場などで踊られていた千歳美香子さん。数々の作品でバレエ監修を手がけられているだけあって、作品中のバレエのレッスンの様子などはリアリティのあるものでしたが、一点気になることが。公開前の予告編の感想でも書いたのですが、一果のバレエの上達があまりに速すぎる!

本編でも、ものすごいスピードで上達。全くの初心者から、教室の誰よりも才能が際立つ存在になるのに、数ヶ月?いくら才能がある子でもこれはどうなのか。バレエを習った事があるひとなら、みんな心の中で「はやっ!」と思ったはず(笑)

りんのサイドストーリー

一果の対極として描かれるのは、上野鈴華さんが演じる少女りん。一果とりんは親友同士でもあります。

裕福な家庭に生まれ、バレエ に打ち込んでいたりんですが、一果の登場によりバレエ教師実花先生の関心を奪われ、さらには怪我でバレエ が踊れなくなってしまいます。

りんのストーリーには、そこまでの時間が割かれていないので、少し消化不良な部分はあるのですが、りんが最後に登場するシーンは非常に印象的。これから観る方のために詳しくは書きませんが、映像的には一番印象に残ったシーンかもしれません。『アレルキナーダ』のバリエーションがモチーフになっています。このバリエーションを観るたびに、このシーンを思い出してしまいそうです。いつか、りんが主役の物語も見てみたい気がしました。

 真飛聖さんが演じる実花先生が救い

映画全体の重いトーンの中で、ひとつの救いになっているのは、バレエ教師の実花先生。こんな先生いるなーというリアリティと、過酷な現実の中で、カラッと明るく凪沙と一果に対してもフラットに接してくれる実花先生が出てくるとちょっとホッとしました。この実花先生、バレエ監修の千歳美香子さんがモデルらしいです。

おわりに

凪沙と一果にとって、バレエはひとつの希望、暗い世界にさす光のようなもの。

重い題材を扱った映画ではありましたが、最後に一果の未来に差す光が見えて救われました。

★最後までお読みいただきありがとうございました。