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「バレエの王子になる!」気になるその後のその後 2021

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2019年9月にNHKBS1スペシャルで放送されたドキュメンタリー「バレエの王子になる!〜“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春〜」。ワガノワ・バレエ・アカデミーの美しいバレエ男子たちの卒業までの90日間を追ったドキュメンタリーはアメリカ国際フィルム・ビデオ祭銀賞、ニューヨーク・フェスティバル銅賞も受賞。たびたび再放送されています。

 2021年1月3日(日)もBS1で再放送があり、番組表には「本編終了後、彼らのその後を追ったミニ番組も放送」とあったので、もしかして新情報が?と思って見ていたのですが、ミニ番組の放送はなかった…(涙)

 

2020年5月の再放送の時には「その後」を追った10分ほどのミニ番組の放送があり、コロナ感染拡大で劇場が閉鎖される中での彼らの様子をうかがい知ることができました。

5月の再放送の時の記事はこちら。再放送のたびにPVが伸びます(笑)↓

www.balletaddict.com

 現在の彼らの状況も知りたい!というわけで、マリンスキー・バレエ、ボリショイ・バレエに入団したミーシャ、アロン、マルコ、キリルの4人のバレエ王子たちが現在どうしているか?彼らのインスタグラムなどの情報からチェックしてみました。

現在のロシアの劇場の状況は?

コロナの勢いはいまだ衰えない中、そもそも彼らがいる現在のロシアの劇場はどんな状況なのか?が気になります。

ロシアでのコロナによる死亡者は推定18万人超といわれており、世界第3位。昨年10月ぐらいから新規感染者が激増し、大きな第2波が到来しているとみられています。一部では飲食店、教育施設、劇場などに規制措置が取られているようようですが、厳しいロックダウン措置は今のところ実施しない方針のようです。

 

マリンスキー劇場があるサンプトペテルブク(人口約500万人)は新規感染者が一日3000人を超え、ボリショイ劇場があるモスクワ(人口約1200万人)は一日の新規感染者が5000人を超える状況です。

マリンスキー・バレエで踊っている日本人ダンサー石井久美子さんのYouTubeチャンネルの情報もなかなかショッキング。マリンスキーのまわりの仲間はコロナにかかっていない人の方が少ない、新規感染者が3000人を超えても劇場は満席…と動画内で語っています。(石井久美子さんご自身も現在コロナにかかっていてそれも心配…)

*2021.1.6追記

YouTubeがしばらく更新されないと思っていたら、石井久美子さんは年末に入院されたようです。1日も早い回復をお祈りいたします。

*2021.1.9追記

1月8日に無事退院されたようです。動画ではまだおつらそうですが、ひとまず安心しました。

石井久美子 - YouTube

マリンスキー・バレエのホームページをみると、1月7日から多くの公演予定が…

昨年秋の公演アーカイブを見ても、いくつかの公演は延期やリスケジュールになっていますが、連日のように公演が開催されています。

https://www.mariinsky.ru/en/playbill/playbill/

ボリショイ・バレエも新年1月3日から、連日の公演予定がぎっしり並び、しかもチケットはほとんど”sold out" …↓

https://www.bolshoi.ru/en/timetable/?Y=2021&M=01

 

というわけで、こんな状況下でも今のところバレエの公演は行われているようです。

日本では不要不急と見なされがちな舞台芸術ですが、多くのロシア人にとっては日々の生活に欠かせないものと考えられているのでしょうね。

  

ミハエル・バルキジャ(ミーシャ)

Mikhail Barkidzhidzha

米国シカゴ生まれ。2018年ワガノワ・プリではグランプリを受賞。校長ニコライ・ツィスカリーゼから10年に一度の逸材と言われる。 

ワガノワ卒業後はマリンスキー・バレエ入団。入団後まもない2019年9月「白鳥の湖」のトロワに抜擢されデビュー↓ 

www.youtube.com

ところが5月に放送された彼の近況は、練習中に腰を傷めたことから椎間板ヘルニアを患い、コロナ禍もあってシカゴの実家で復帰の準備をしているというものでした。

その後ケガは完治したのでしょうか?

現在の様子をインスタグラムなどでチェックしてみると2020年秋には無事マリンスキー劇場に戻れたようです。「I'm back」というタイトルのストーリーズのハイライトでは、すでに舞台にも復帰し、色々な役柄を演じていることがわかります。

バレエ団のホームページにも、コールドバレエの一員としてプロフィールページがありました。

Mikhail Barkidzhidzha

プロフィールページに掲載されているレパトリーは『白鳥の湖』の王子の友人のみ(←入団直後に踊った役)ですが、更新されていないのでしょう。

インスタグラムの2021年年頭の投稿は、ニコライ・ツィスカリーゼ校長の誕生日を祝うもの。4人の中で一番の校長のお気に入りだったと思われる彼。強い絆で結ばれているようです。

 

インスタグラム

https://www.instagram.com/mishabark/

YouTube公式チャンネル

https://www.youtube.com/channel/UCJuCPBlWyORF4sWfMDzun_A/featured

 ツィスカリーゼ校長についての記事はこちら!

www.balletaddict.com

 

大澤ホロウィッツ有論(アロン)

Aaron Osawa-Horowitz
父親は米国人、母親は日本人で、アメリカ生まれの英国育ち。英国ロイヤルバレエスクール卒業後、ワガノワ・バレエ・アカデミーに編入。身長175cmでロシアの男性ダンサーとしては小柄ですが、抜群の跳躍力を誇り、努力家で聡明な好青年です。

ワガノワ卒業後はマリンスキー・バレエに入団。入団後の2019-2020シーズンは数々の公演に出演していました。

2020年5月の近況では、ロンドンの実家でご家族と過ごしていましたが、その後バレエ団に戻り2020-2021の新シーズンも多くの舞台に出演しているようです。

マリンスキー・バレエのサイトにはアロンのプロフィールページも掲載されていました↓

Aaron Osawa-Horowitz

プロフィールページに書かれている主なレパートリーは

バフチサライの泉(ヌラリ)
くるみ割り人形(中国、スペイン、コサック、ペトルーシュカなど)
オペラ「マゼッパ」(ヤング・コサック)

 

アロンのインスタグラムに投稿されている2020-2021seasonというタイトルのストーリーズのハイライトではいろんな役の衣裳・メイク姿が見られますが、そろいもそろって非常にエキゾチックというか、濃い役柄というか…ロシアではダンサーが演じる役の住み分けがはっきりしているので、これが普通なんでしょうね。

ストーリーズには同じ英国ロイヤルスクール出身でマリンスキー・バレエのプリンシパル、ザンダー・パリッシュとの2ショットも。

昨年12月9日のインスタグラムの投稿は、12月5日上演『バフチサライの泉』の出演動画。ますます磨きがかかったように思える素晴らしい跳躍力で会場をわかしています。

コメント欄をみると、ボリショイ・バレエに入団したキリルがコメントしている!そして、キリルの次にコメントしているのはニコライ・ツィスカリーゼ校長! 

 
 
 
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インスタグラム

https://www.instagram.com/aaron__oh/

マルコ・ユーセラ(マルコ)

Marko Juusela

フィンランド出身。14歳からロシアに渡り、ワガノワ・バレエ・アカデミーに入学。

大きな瞳と笑顔が印象的なマルコ。クラスではミーシャについでナンバー2の成績で、卒業後はマリンスキー・バレエに入団しました。

5月の近況ではフィンランドに戻っていた彼も、バレエ団に戻ったようです。

バレエ団のマルコのプロフィールページは5月にチェックした時から変化なし。(なぜか3人のうちで彼だけ顔写真が掲載されています。)

Marko Juusela

プロフィールに書かれている主なレパートリー
ラシルフィード(若者)、放蕩息子(放浪者の友達)、くるみ割り人形(道化師)
バフチサライの泉(若者)、愛の伝説(フェルハドの友人)、くるみ割り人形(コサック、スペイン舞踊)、シンデレラ(夏)

マルコのインスタグラムの2020年10月15日の投稿では、7ヶ月ぶりに劇場に戻り、明日が最初の舞台(←『バフチサライの泉』と思われます)と書かれています。

写真ではちょっと痩せたようにも見えますね。

 
 
 
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インスタグラム

https://www.instagram.com/markojuusela/

 

キリル・ソコロフスキー(キリル)

kirill sokolovski

ベラルーシ出身。189cmの長身で抜群に美しい容姿をもつキリル。アカデミー在学中はモデルのアルバイトをしていました。努力家タイプではなく、アカデミーではニコライ・ツィスカリーゼ校長から叱られ続け、卒業公演にも出してもらえませんでした。4人の中で彼だけは卒業後、ボリショイ・バレエ団に入団。

昨年5月に放映された近況では、コロナ禍で劇場が閉鎖されても、4人の中で唯一自宅に戻らず、モスクワの親戚の家に身を寄せていたキリル。家族と離れてのモスクワ暮らしはちょっと寂しそうでした…

その後ボリショイ劇場も再開し、キリルも再び舞台に立っているようです。

個別のプロフィールページはありませんが、ボリショイのコールドバレエのページに名前と写真が掲載されています。それにしてもコールドバレエの人数がすごい…

モノクロのアーティスティックな写真を選ぶあたりがキリルらしいですね(笑)

https://www.bolshoi.ru/en/persons/ballet/chorus/

インスタグラムでみる彼は、髪を短くして精悍な印象になりました。

フォトグラファーに写真を撮ってもらったり、絵を書いたりのキリルらしい投稿も多いですが、真面目にレッスンもしているようです(笑)

脚のライン、かかとの高さ…(ため息)

 
 
 
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2020年最後の投稿は『くるみ割り人形』に出演中のジャンプの動画。

衣裳からすると2幕の「あし笛の踊り(フランス人形)」かな?と思って調べると、12月30日公演などで、キリルの名前がキャスト表に掲載されていました。グロゴローヴィッチ版『くるみ割り人形』の「あし笛(フランス人形)」は男女ペアの踊りですが、キリルの相手役はファースト・ソリストですし、結構な抜擢なのでは…?

 
 
 
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インスタグラム

https://www.instagram.com/kirill_sokolovski/ 

 おわりに

とりあえず、ミーシャが舞台に戻れてよかった!

そしてキリルがボリショイをやめていなくてよかった!(笑)

4人のこれからの活躍が楽しみです。早くコロナが収束して、ドキュメンタリーの続編がみられる日が来ることを願っています。

 

2022年1月の最新の「その後」記事はこちら↓

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ワガノワ・クラス 男子編!

 

★最後までお読みいただきありがとうございました。