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バレリーナトーク 小野絢子×加治屋百合子 参加レポート【Hearts for Artists/バレエのイベント】

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ヒューストン・バレエ団プリンシパルの加治屋百合子さんが代表をつとめるアーティスト支援のプロジェクト〈Hearts for Artists〉(ハート・フォー・アーティスト)のオンラインイベント。プロジェクトは8月2日(日)までで一区切り。

まだあげていない参加レポートがたくさんあるので、少しずつ記事にしていきます。

今回は7月25日(土)に開催された「バレリーナ〈モーニング〉トーク 小野絢子×加治屋百合子」の参加レポートです。日本バレエ界のプリンセス、新国立劇場バレエ団プリンシパルの小野絢子さんが登場!日本とアメリカで活躍するふたりのプリンシパルのバレリーナ・トークです。

balletchannel.jp

〈Hearts for Artists〉のイベントの収益は公益基金《舞台芸術を未来に繋ぐ基金》に寄付されます。 今回もZoomウェビナーのシステムを利用したイベントで参加費用は1,000円でした。

*トークの言葉遣いなどは正確ではありません。およその内容としてご覧ください。

小野絢子さんのプロフィール

小林紀子バレエアカデミーでバレエを学ぶ

2005年 新国立劇場バレエ研修所(第3期生)に入所

2007年 新国立劇場バレエ研修所終了後、新国立劇場バレエ団にソリストとして入団。入団直後に、ビントレー『アラジン』の主役に抜擢される

2011年プリンシパルに昇格。

『眠れる森の美女』『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『ラ・バヤデール』『ジゼル』『シンデレラ』『カルミナ・ブラーナ』『パゴダの王子』『シルヴィア』『こうもり』『コッペリア』『火の鳥』『不思議の国のアリス』など数多くの作品で主役を踊っている。

新国立劇場バレエ団『竜宮』公演日当日のモーニングトーク

加治屋百合子さんはパープルのリボンがついたトップス(ドレス?)、小野絢子さんは白いトップスで登場。
普段は日本時間で20時ごろから開催されることが多いトークイベントですが、今回は朝の9時から。この日は新国立劇場バレエ団の新作『竜宮』(小野さんの出演はなし)が上演される予定だったため、イベントを視聴してから公演に間に合うようにという配慮からモーニングトークに。

世界初演・新作バレエ公演「竜宮 りゅうぐう」 | 新国立劇場 バレエ

*「竜宮』は関係者のコロナ感染が出たことから、公演の後半の日程が急遽中止に。

後半のチケットをとっていたので観られませんでした。残念(涙)

2歳違いのお二人の共演は1回、10年前のガラ公演とのこと。
こちらの公演ですね。「バレエ・アステラス 2010」

バレエ・アステラス☆2010〜海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて〜|バレエ|新国立劇場

ぽっちゃりしていた子供時代!

4歳上のお姉さんの影響で幼稚園からバレエをはじめた小野さん。お姉さんもバレエダンサーだそうです。
なんと小野さん、小学生時代はぽっちゃりしていたとのこと!「レッスンの時にするウエストバンドがお腹の肉に隠れて見えなかった」と言いますが、今の姿からは想像もできません。

こちらの記事に写真がちらっと出ています。

確かにちょっとぽっちゃり(笑)でも可愛い↓

ダンサーズ・ヒストリー 新国立劇場バレエ団 小野絢子 (全文) [バレエ] All About

小林紀子バレエアカデミーで学ばれた小野さん。子供の頃はまわりも自分もバレリーナになるとは思っていなかったそうです。

プロになろうと思ったのは高校生の時。初めてバリエーションを踊ったのは16歳の時のオーロラ姫。小学生からコンクールに出まくっている人も多い日本では、これはかなりマイペースですよね。(ちなみに上海で学ばれた加治屋さんの初めてのバリエーションは14歳、簡単バージョンの白鳥のパ・ド・トロワだそうです)
小野さん「初めてのバリエーションの指導では、登場の歩き方で時間を取られ、踊りがあまり練習できなかった(笑)」

このオーロラを踊って初めて出場した東京新聞社主催の「全国舞踏コンクール」は予選落ち。翌年は同じコンクールでジゼルを踊ってバレエ・ジュニア部2位に入賞しています。(そしてこの時の1位は米沢唯さん!)

最近は海外で学ぶダンサーが多い中、海外留学は視野に入れていなかったという小野さん。ただし「プロになりたい」と決めてからは、フランスに何度か短期留学したそうです。プロになると決めてからはレッスンの受け方が変わり、3ヶ月でも1年分ぐらい学ぶことがあったとのこと。
高校卒業後は新国立劇場のバレエ研修所に入り2年学んだ後、新国立劇場バレエ団に入団。入団後すぐに『アラジン』の主役に抜擢され、入団4年でプリンシパルに。
他の人より遅れているという意識はあったと言いますが、ひとたび「プロになる」と決めてからの成長はきっと目を見張るものがあったのだと想像されます。

吉田都さんとの縁

子供の頃見ていたバレエ公演という話題では、この秋から新国立劇場バレエ団の芸術監督に就任される吉田都さんとのご縁を感じさせるエピソードも。普段はお教室が付属するバレエ団の公演を観ているぐらいだったという小野さんが小学校6年生の時、新国立劇場の開場記念公演『眠りの森の美女』を観て衝撃を受けたと言います。その時のオーロラ姫は吉田都さん!
20年後、新国立劇場のプリンシパルと芸術監督として再び巡り会う…なんだかドラマのような話です。小野絢子さんは吉田都さんの引退公演にも出演されていましたね。

転機になった役は、フォルトゥナ、ベラ、マノン

転機になった演目はという質問でまずあげられたのはデヴィッド・ビントレーの『カルミナ・ブラーナ』の運命の女神フォルトゥナ
小野さん「サングラスにミニのチューブドレスにハイヒールで踊る役。キャストが出た時に印刷ミスではないかと思った。湯川麻美子さんのような大人の女性がやる役」
背の高い体格がしっかりした人がやる役でもあり、デヴィット・ビントレーに今まで一番小さいフォルトゥナと言われたそう。
小野さん「サングラスが2種類あり、どちらかを選ぶんですが、どちらをかけても笑われた(笑)」
『カルミナ・ブラーナ』の前の作品は『アラジン』のプリンセス。振り幅がすごいです。

2010年『カルミナ・ブラーナ』一枚だけ小野さんのフォルトゥナの写真も↓

デヴィッド・ビントレーのカルミナ・ブラーナ | 舞台写真・公演記録 | 新国立劇場


次に挙げられたのは、ローラン・プティの『こうもり』のベラ
小野さん「フォルトゥナと同じく、自分の中では湯川麻美子さんのイメージの役。衣装のフォルムが全く合わず、胸とお尻にパット入れた(笑)」
普通の衣装でも胸パッドは入れているそうですが、お尻パットは初めてとのこと。

小野さん「倦怠期の役。さっぱりわからない。倦怠期って何だろう?って(笑)
小野さんのベラ。妖艶です↓

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小野さん「自分の中にないキャラクターに挑戦させてもらえるチャンスが多かった。毎日できないことに挑戦する、やることがあるのが楽しいと思う。克服できたどうかはわからないけど」

そして、26歳で演じたケネス・マクミランの『マノン』のタイトルロール。
小野さん「はじめは手も足も出なかった、転機になった作品のひとつ。はじめは楽しむというより辛かった」

「何が難しかったのか」という質問に対しては、
小野さん「マノンとしてどう存在するか?踊り自体も難しいので気を取れれてしまう部分も。マノンをどう生きていくか、何を考えているかはじめはわからなかった。原作もあまり助けにならなかった。彼女の心情が書いてあるわけではないので」

愛する人がいながら、贅沢に対する欲望も捨てられなかったマノン。自らが招いたとも言える悲劇をどう受け入れているのか…確かに普通に共感できる役ではないのでマノンになって生きるのは難しそうです…。

3分でわかる『マノン』。2020年2月にもマノンを演じています。

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トークイベントで思入れのある役を聞かれると、ドラマティックバレエの役を答えるダンサーが本当に多いですね。
小野さん「(ドラマティックバレエの)本番は一度始まると、『白鳥』や『眠り』よりノンストップで気持ちが途切れないので好き」


3つの作品から、小野さんが常に自分の枠を壊すような役を与えられ、それを乗り越えてきたということがわかります。また当時の芸術監督(『カルミナ・ブルーナ』は着任前)デヴィット・ビントレーの小野さんに対する期待の大きさも感じました。

エネルギーチャージはバナナから羊羹に変化

バレリーナトーク定番の質問、コンディショニング、食事、レオタード、トウシューズについても。

コンディショニング

大きなけがはしたことがないという小野さん。多少の不調は自分でヤムナ・ボール・メソッドやヨガを行なって調整しているそう。定期的に整体などを受けることもないそうですが、リフレクソロジーが好きで月に2回ぐらい受けているとのこと。
大きな故障を抱えつつ踊っている人も多いプリンシパル級ダンサーの中では珍しい。もしかすると、あまり小さいうちからトウシューズを履いたり、バリエーションを踊ったりしていないのがよかったのかも??
コロナ自粛中は、山本康介さんのインスタライブのレッスンを毎日受けていたという小野さん。長期休んだことで体の癖が取れるといういい影響もあったそうです。

食事

好きな食べ物は白いお米!得意料理は肉じゃが。

バレエ団の昼休みは45分なので、手早くエネルギーチャージする必要があり、以前はバナナをひとふさ食べていたとのこと!!現在ではバナナは1日1〜2本にして羊羹を食べているそう。一口サイズのものなどが便利で、ロッカーに置き羊羹しているそうです。虎屋の羊羹が一番好き。羊羹の差し入れは嬉しい!とのことでした。

レオタード&トウシューズ

小野さん「レオタードは数えたことがないけど少なめ。10〜20枚ぐらい?柄物はほとんど着ない。無地でアースカラーが好き。リハーサルは作品によって変えます。最近半袖、長袖が増えました。パートナリングには便利」
この答えに大きく頷く加治屋さん。「脇を持ってリフトされる時などやっぱり気になる(笑)」
柄物レオタードブームではありますが、プロダンサーの答えはほとんど、「シンプルな無地で袖付き」ですね。
好きなブランドはyumiko、スティナ、デラロミラノ。やはりyumikoはプロに人気!
トウシューズはフリードだそうです。

 

いつもは30分以上延長するバレエトークですが、今回は昼から『竜宮』公演があるため、15分オーバーで終了。最後に「また共演したいね」と加治屋さん。早くコロナの状況が落ち着き、そんな舞台が実現してほしいものです。 

 

《舞台芸術を未来に繋ぐ基金》について

〈Hearts for Artists〉が寄付を行う《舞台芸術を未来に繋ぐ基金》は、コロナ禍で大きな影響を受けた舞台芸術に携わるアーティスト・クリエーター・スタッフ(個人・団体・企業問わず)の今後の活動に向けた金銭的支援を目的として設立された基金です。

〈Hearts for Artists〉のイベントやアーカイブ配信は終了しましたが、《舞台芸術を未来に繋ぐ基金》は2020年8月25日までクラウドファンディングで寄付を募っています。一口3,000円から寄付が可能です。

《舞台芸術を未来に繋ぐ基金》https://www.butainomirai.org/

おわりに

小野さんの率直なお人柄、ダンサーとしてのチャレンジを楽しんでいる様子が伝わってきて、とても楽しいバレリーナ・トークでした。
新国立劇場バレエ入団後すぐに主役に抜擢されてあっという間にスターになったイメージがあったので、小さい頃からプロになるためのエリート街道を突き進んできたのかと思っていましたが、意外なほどマイペースで遅咲きな子供時代。でも周囲に流されず、マイペースをつらぬいてこれたのは、しっかりした自分があったからだろうなと感じました。

早くまた新国立劇場で踊る小野さんの姿が観たいですね。
次に予定されている公演は10月から11月上演の『ドン・キホーテ』。無事開催されますように!

ドン・キホーテ | 新国立劇場 バレエ

 

こちらはこのバレエトークの5日後、清里フィールドバレエに福岡雄大さんとゲスト出演した『白鳥の湖』の映像。
コロナの影響で今注目の野外バレエ。2020年8月31日までの限定配信です!

ソーシャルディスタンスを保った4羽の白鳥…?

www.youtube.com

 

 ★最後までお読みいただきありがとうございました。