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パリ・オペラ座ガラ公演 無料配信!【配信鑑賞レポート】

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1月30日(土)20:00(現地時間。日本時間では31日(日)4:00から)から配信プラットフォーム "L'Opéra chez soi"から無料配信される予定のパリ・オペラ座の『GALA』公演。

…なのですが、なぜかすでに配信が観られます(驚)

パリ・オペラ座名物「デフィレ」からスタートする華やかなガラ公演を堪能しました。

配信概要をまとめました。少しだけ感想も。

配信サイト↓

GALA - L'Opéra chez soi

公演概要

本来であれば2020年の9月に2020−2021シーズンの開幕を飾るはずだったオープニングガラが2021年1月27日に延期になり、無観客で上演されました。ヴィクトル・グゾフスキー、ジェローム・ロビンズ、ウィリアム・フォーサイス、3人の振付家の作品を上演。

会場 パリ・オペラ座ガルニエ宮(無観客)

管弦楽 パリ・オペラ座・オーケストラ

指揮 Vello Pähn

全編 1時間9分 

【スケジュール】

*およそのタイムスケジュールです。

0:0〜3:15 イントロダクション 

3:15〜17:20 デフィレ

17:20〜30:00 『グラン・パ・クラシック』

30:00〜55:25 『イン・ザ・ナイト』

55:25〜1:09:13 『精密の不安定なスリル(精確さによる目眩くスリル)』

冒頭はアレクサンダー・ネーフ総裁と、芸術監督オーレリ・デュポンによるフランス語のスピーチ。

*いつまでの配信なのか、情報が見つかりませんでした。

デフィレ

音楽:エクトル・ベルリオーズ

デフィレはフランス語で「行進」。パリ・オペラ座のエトワールからパリ・オペラ座バレエ学校の生徒まで総勢約250人が舞台の奥からひたすら行進するパリ・オペラ座の名物です。

パリ・オペラ座の歴史に残るであろう全員がマスクをつけたデフィレ。オーケストラが演奏するエクトル・ベルリオーズの「トロワイヨン行進曲」だけが鳴り響くオペラ座で、粛々と行進するダンサーたちの姿に胸を打たれます。

ただ歩いているだけなのに、この美しさ、荘厳さ…

エトワールは任命の新しい順に1人づつ登場。男性エトワールのトップを飾るのは昨年12月の無観客公演でエトワールに任命されたばかりのポール・マルク

www.balletaddict.com

 最後に登場するエトワールはマチュー・ガニオ。今年37歳のマチュー・ガニオ、2014年からこの大トリを務めていますが、予定ではパリ・オペラ座ダンサーの定年42歳まで、あと5年はこの大役を担うことになります。

『グラン・パ・クラシック』

音楽:フランワ・オーベール(オペラ『マルコ・スパダ』より)

振付:ヴィクトル・グゾフスキー

衣裳:CHANEL

キャスト:ヴァレンティーヌ・コラサンテ /  ユーゴ・マルシャン

深いネイビーにビジューがきらめく美しい衣裳はシャネルによるもの。

明るく、溌剌としたヴァレンティーヌ・コラサンテ とユーゴ・マルシャンによる『グラン・パ・クラシック』。

ユーゴ・マルシャンは2020年3月の来日公演よりマッチョになった印象です(特に脚のライン)。さらに長髪になったこともあり、前よりワイルドなイメージに。

『イン・ザ・ナイト』

音楽:フレデリック・ショパン

振付:ジェローム・ロビンズ

衣裳デザイン:アンソニー・ダウエル

キャスト:

第1パドドゥ リュドミラ・パリエロ / マチュー・ガニオ

第2 パドドゥ レオノール・ボラック / ジェルマン・ルーヴェ

第3 パドドゥ  アリス・ルナヴァン / ステファン・ビュリオン

 

満天の星空の下、ショパンのノクターン4曲に乗せて踊られる3組の男女の踊り。叙情的でありながら、斬新で複雑なステップやパートナリングが随所に組み込まれています。

どの組もそれぞれの踊りのムードに合っていて素敵でしたが、特にベテラン組のリュドミラ・パリエロ 、マチュー・ガニオの淀みのない滑らかさが印象に残りました。

4曲目で3組の男女が登場し、挨拶をかわした後、マチュー・ガニオとジェルマン・ルーヴェが2人で見つめあうシーンがあるのですが、佇まいが似ている美しい2人…目の保養(笑)

『精密の不安定なスリル(精確さによる目眩くスリル)』

音楽:フランツ・シューベルト

振付:ウィリアム・フォーサイス

衣裳:スティーブン・ギャロウェイ

キャスト:

アマンディーヌ・アルビッソン、リュドミラ・パリエロ、オニール八菜、ポール・マルク、パブロ・レガサ

女性は黄緑の円盤型のチュチュ、男性は深い紫色のレオタード。スピーディーで複雑なステップやバランスの連続で、本当に踊るのが大変そうなこの作品ですが…5人とも素晴らしかった。

中でも目を引いたのはプルミエ・ダンスールのパブロ・レガサ。ハッとするほど遠くに柔らかく伸びる腕、華やかで軽快な踊りは観ているだけで幸せな気分になります。

おわりに

「ああ、美しいものを観た」としみじみ思える1時間。

そしてこの配信のカメラワークは素晴らしかった。よりの映像と、ひきの映像のバランスや、カメラが客席奥から舞台に近づいていく映像など、劇場内でバレエを観ている気分にさせてもらいました。

配信期限の情報が見つけられなかったのですが、観られるうちにぜひ!

 

★最後までお読みいただきありがとうございます。