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ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2022 バレエシーンに木本全優さん、加藤優子さん出演!

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お正月のお楽しみといえば!ウィーン楽友協会大ホールで演奏されるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートの生中継。2021年はコロナ感染拡大防止のため、史上初の無観客で開催されましたが、今年は観客を1,000人に絞っての開催でした。

ショパン国際ピアノコンクール入賞で話題のピアニスト反田恭平さんがスタジオ出演。第1部のあとに、反田さんによるヨハン・ヨーゼフ・シュトラウス「ピチカートポルカ」のピアノの生演奏もありました。

注目は毎年恒例のウィーン国立バレエ団によるバレエシーン。2021年に引き続き、ファースト・ソリスト(最高位)木本全優さんと、2020/2021シーズンからシニア・アーティストとして入団した加藤優子さん、ふたりの日本人ダンサーが出演しました。

見逃した方は再放送やNHKプラスでの見逃し配信があります。

ぜひチェックしてみてください。

【ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2022 再放送予定】

2022年1月8日(土)14:00~17:00 NHK Eテレ1

www.nhk.jp

ウェーン・フィル ニューイヤーコンサート2022

ウィーン楽友協会の収容人数は3,000人弱。観客1,000人だと収容人数の約1/3です。バルコニー席や舞台のサイドなどは観客なし。その分1階フロアーはほぼ埋まっている状態なので、映像で見るぶんには、観客が少なくて寂しい…といういうことはありませんでした。

指揮者は巨匠ダニエル・バエンボイム。2009年、2014年に続いて3回目の登場です。

今年の曲目はこちら。全体に気持ちが晴れるような、軽快で明るい曲が多かったように思います。

曲目一覧 - ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート - NHK

 

コロナ禍からの復活を意識したと思われる、ヨーゼフ・シュトラウス作曲「フェニックス行進曲」、ヨハン・シュトラウス作曲 ワルツ「フェニックスの羽ばたき」でスタート。「フェニックス」もそうですが、テーマを少しづつリンクさせながら曲が並んでるのが面白い。

 

1部のあとの休憩時間には、恒例とも言えるヘーデルボルク・和樹さん(ヴァイオリン)ヘーデルボルク・直樹さん(チェロ)兄弟からと、ダニエル・フロシャウアー楽団長からの日本へのメッセージが届けられました。(今年は直樹さんと和樹さんのコンサートへの出演はなし。)

 

第2部はバレエでもおなじみのヨハン・シュトラウスの「こうもり」でスタートし、雄大なヨーゼフ・シュトラウス「天体の音楽」がラスト。

アンコールは、ポルカ・シュネル「狩り」「美しき青きドナウ」「ラデツキー行進曲」。「美しき青きドナウ」の演奏の途中ではバレンボイムさんから、コロナ禍をともに乗り越えようというメッセージがありました。

新芸術監督マーティン・シュレップァー振付のバレエシーン

恒例のバレエシーンは後半5曲目のヨハン・シュトラウス作曲 ワルツ「千一夜物語」、1曲のみでした。例年は2曲なのに…ちょっと寂しい。

2020/2021シーズンから、マニュエル・ルグリの後任として、マーティン・シュレップァーが芸術監督に就任したウィーン国立バレエ団。

バレエシーンの撮影は前の年の夏頃のようなので、実質的には今年からがマーティン・シュレップァー采配でのバレエシーンではないかと思います。今年は振付もマーティン・シュレップァー。生中継の番組冒頭ではマーティン・シュレップァーへのインタビューも放映されました。

舞台はシェーンブルン宮殿。衣裳はアーサー・アルベッセ。

ハプスブルグ王朝が夏の離宮として使用していたというシェーンブルン宮殿。白に金の装飾が施されたインテリアが、まばゆいばかりに輝いていました!

衣裳のアーサー・アルベッセの名前は知りませんでした。調べてみるとミラノコレクションなどにも参加しているファッションデザイナーのようです。個性的なプリントの服が多い印象。

今回の女性ダンサーの衣裳は、直線的な造形のプリントワンピースから、クラシックなブルーのドレス、黒のバルーンぽい短いドレスなど多種多様。クラシックといってもよく見ると片側に一本ストライプが入っていたりと、ディテールにひねりが効いている感じ。男性ダンサーはダンサーごとにデザインが異なる、黒(もしくはネイビー?)のシンプルな衣裳でした。

www.wwdjapan.com

多様なスタイルとダンサー

出演ダンサーは女性6人、男性4人。冒頭から加藤優子さんと男性のカップルが狂言まわし?のような役割で登場。このカップルはちょっとコミカルなコンテンポラリーな振り付け(バレエシーン恒例の微妙な小芝居もあり)。鮮やかなグリーンのドレスとロングドレッドヘアの女性ダンサー(ソリストのREBECCA HORNERさん、だと思います)の裸足でのダイナミックで力強いソロ、ポアント(トウシューズ)の女性と男性による流麗なパート…と多様な構成。

最後は全員が宮殿のバルコニーに集合して、カメラに向かって親指を立てるGOOD!のポーズでちょっと謎のエンディング 笑。

踊りのスタイル、裸足とポアント、ダンサーのタイプ、国籍、衣裳の振り幅が大きいのが印象的でした。

クリアな踊りに磨きがかかった木本全優さん

木本全優さんはコンセルヴァトゥール(パリ国立音楽院)などで学んだ後、ドレスデン国立歌劇場バレエ団に入団し、2008年にウィーン国立バレエ団に移籍。2017年に最高位である第1ソリストに昇格しています。ちなみに私生活でのパートナー橋本清香さんもウィーン国立バレエ団の第1ソリスト。

www.wiener-staatsoper.at

主にポアントの女性と組むパートで登場した木本全優さん。クリアなテクニックとラインの美しさにほれぼれします。ああ、劇場で見たい…。ウィーン国立バレエ団の前回の来日は2018年ですが、今の状況では当分叶わないだろうな。

 

木本全優さんの最近の映像。バランシンとロビンスのダブル・ビルに出演↓

www.youtube.com

 

昨年2021年の出演の感想はこちら↓

www.balletaddict.com

加藤優子さんの年齢に驚く

2020/2021シーズンからシニア・アーティストとしてウィーン国立バレエ団に入団した加藤優子さん。マーティン・シュレップァーが芸術監督をしていたドイツのカンパニー、バレエ・アム・ラインで長年活躍されていました。

バレエ・アム・ラインは2019年に『白鳥の湖』公演で初来日。来日時のマーティン・シュレップァーのインタビューでは、加藤優子さんのことを「47歳とは思えない素晴らしい能力を持っている」と 評しています。ということは、現在は50歳ぐらい!

 

マーティン・シュレップァーの来日時のインタビュー↓

バレエ・アム・ライン初来日公演《白鳥の湖》、マーティン・シュレップァー(芸術監督・振付家)が来日記者会見を開催。|株式会社サンライズプロモーション東京のプレスリリース

 

ウィーン国立バレエ団の加藤優子さんのプロフィールにはマッツ・エック、ピナ・バウシュら錚々たる現代振付家とのエピソードが掲載されています。

www.wiener-staatsoper.at

おわりに

昨年は無観客で聞くことができなかった「ラデツキー行進曲」の観客の手拍子を、2年ぶりに聞けたのがなにより嬉しかった!

芸術監督が交代したウィーン国立バレエの今後の変化にも注目したいと思います。

 

芸術監督マーティン・シュレップァーのバレエ・アム・ライン時代の代表作。

★最後までお読みいただきありがとうございました。

本年もバレエレッスン、バレエ鑑賞についてマイペースで綴っていきます。

本年もよろしくお願い致します。