公演が中止にならなかったのは嬉しいけど、感染拡大につながってしまったらどうしよう…複雑な心境で鑑賞したパリ・オペラ座バレエ団のジゼル 。
会場入り口には赤外線サーモグラフィーが置かれ、観客の温度チェックが行われていました。レッスン帰りだった友人はドキドキだったらしい…
公演概要
「ジゼル」全2幕 パリ・オペラ座バレエ団
2020年2月29日(土)13:00〜
東京文化会館 大ホール
音楽:アドルフ・アダン
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー(1841)
改訂振付:マリウス・プティパ(1887)、パトリス・バール、ユージン・ポリャコフ(1991)
装置・装置:アレクサンドル・ブノワ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
指揮:ベンジャミン・シュワルツ
キャスト
ジゼル:アマンディーヌ・アルビッソン
アルブレヒト:ユーゴ・マルシャン
ヒラリオン:ジェレミー=ルー・ケール
ウィルフリード(アルブレヒトの従者):セバスチャン・ベルトー
ベルタ(ジゼルの母):ニノン・ロー
クールランド大公:グレゴリー・ドミニャック
バチルド姫:エミリー・アスブン
ペザント・パ・ド・ドゥ:ビアンカ・スクダモア、トマ・ドキール
ミルタ(ウィリの女王):オニール八菜
ドゥ・ウィリ:ナイス・デュボスク、ビアンカ・スクダモア
上演スケジュール
第1幕 50分
休憩 20分
第2幕 50分
輝くユーゴ・マルシャンのアルブレヒト
いつか幕物の主役で観たいと思っていたユーゴ・マルシャン。
顔も踊りもスタイルも主役になるために生まれてきたようなユーゴ。舞台に出てきた瞬間から華があり、後光が差すような明るいオーラがあります。悪気のない悪い男(一番タチが悪いですね 笑)、アルブレヒトという感じでした。
あの高身長にもかかわらず、軽やかでジャンプの着地も柔らかく、音があまりしない。
とくに終幕のアントルシャが素晴らしく綺麗でした。高いジャンプ、力みのない上半身と美しいつま先!
ジゼルのアルビッソンはアームスが柔らかく表情豊か。錯乱シーンでの表情の変化も見事でした。
オニール八菜さんは威厳を感じさせるミルタがぴったり。割と小柄でフェミニンな人が多かったウィリ達のなかで、しっかりした骨格で硬質な踊りの八菜さんは正に女王の風格。柔らかなアルビッソンとのバランスもよかったです。
オニール八菜さんの日テレインタビュー↓
オニール八菜 「みんなの前で踊れて幸せ」|日テレNEWS24
また2019年に入団した桑原沙希さんが村人とウィリ、2回目の短期契約中の東真帆さんが貴婦人とウィリで出演していました。
絵画のような衣裳と装置
パリ・オペラ座を観るもうひとつの楽しみは、衣裳と装置。
今回の衣裳もさすがの美しさでした。1幕の村人達のアイボリー、ベージュからコーラールにかけての淡い色合いの美しい衣裳と装置が絶妙にマッチして、絵画の世界のよう。
どのバレエ団でも大差ないと思われる2幕の森の装置でさえ、なんとなくセンス良く思えてしまうのが不思議です。
おわりに
終演後はなかなか拍手が鳴り止まず…「ダンサー達への感謝を伝えたい」そんな観客の気持ちを感じました。
会場で配られたチラシには「パリ・オペラ座バレエ・シネマ2020」の情報も。
第一弾は東劇(東京・東銀座)で3月20日(金)から封切られる『パリ・オペラ座ダンスの饗宴』(2014-2015)。パリ・オペラ座名物『ディフレ』、『エチュード』、『くるみ割り人形』のハイライトが観られます。映画館によって上映時期がずれているのでご注意ください。
★最後までお読みいただきありがとうございました。