英国ロイヤル・オペラ・ハウシネマシーズン2019/2020のバレエ作品2作目「コッペリア」を鑑賞してきました。手短かに感想を。
コッペリアの上演概要はこちらの記事に。上演は1月30日(木)まで!
今回も幕間のMCはダーシー・バッセルとアニータ・ラニ(イギリスのジャーナリスト、レポーター、司会者)。
インタビューは芸術監督のケビン・オヘア、指揮者のバリー・ワーズワース、衣装の担当者でした。「コッペリア」は10年ぶりの上演だそうです。
振付:ニネット・ド・ヴァロア(原振付:イワーノフ、チェケッティ)
音楽:レオ・ドリープ
【キャスト】
スワニルダ:マリアネラ・ヌニェス
フランツ:ワディム・ムンタギロフ
コッペリウス博士:ギャリー・エイヴィス
市長:クリストファー・サウンダース
宿屋の主人:エリコ・モンテス
スワニルダの友人:ミカ・ブラッドベリ、イザベラ・ガスパリーニ、ハンナ・グレンネル、ミーガン・グレース・ヒンキス、ロマニー・パイダク、レティシア・ストック
ペザント女性:マヤラ・マグリ
公爵:ルーカス・ビヨルンボー・ブレンツロド
オーロラ(曙):クレア・カルヴァート
祈り:アネット・ブヴォル
マリアネラ・ヌニェスの魅力全開
「コッペリア」の全幕は久々でしたが、改めて観るとスワニルダの踊りの量がすごい。量だけではなく、難易度も高く、ポアントで立っている時間もものすごく長い…
さすがマリアネラ・ヌニェスは、最後まで乱れることなく踊っていました。(第2幕の後半はもしかして疲れてる?と思わせる部分が少しだけありましたが…)「白鳥の湖」などの彼女は「ちょっと元気すぎるのでは…」と思うこともあるのですが、スワニルダにはぴったり。幕間の映像で12歳頃の彼女のスワニルダのバリエーションが流れるのですが、当時の先生がこのバリエーションを彼女ために選び、なんどもコンクールで踊ったらしい。子供の頃からスワニルダが似合うキャラクターだったんだなと想像できます。
ワディム・ムンタギロフの明るくて能天気な感じのフランツもよかった(笑)。男性の見せ場は少ない作品ですが、1幕のマズルカやチャルダッシュの軽快な踊りや、3幕のグラン・パ・ド・ドゥのバリエーションは素晴らしかったです。難易度の高い技でも、さらっとみせてしまうのがすごいですね。
名優ギャリー・エイヴィスのコッペリウス博士も、さすがの存在感でした。
3幕のディベルティスマンでは、祈りのアネット・ブヴォルが印象に残りました。長身スレンダーで、最近のロイヤルとしては珍しいタイプかも。祈りの雰囲気にあったきれいな踊りでした。
Annette Buvoli — People — Royal Opera House
フォークロワ調の衣装が可愛い
美術・衣装は初演当初からのイギリスの漫画家・建築史家・舞台デザイナーのオスバート・ランカスターのデザインです。白、赤、黒が基調のフォークロワテイストの可愛い衣装。この衣装好きです。幕間の衣装担当の方のインタビューで解説されていましたが、スワニルダのブラウス部分に小さな小花模様が描かれていたり、刺繍がふんだんに使われていたりで、細部も凝っていました。
おわりに
「コッペリア」はバレエを観る楽しさが凝縮されているような作品。今回も楽しかった!ロイヤルの生の舞台もぜひ観たいと思わせるシネマ鑑賞でした。
英国ロイヤル・オペラ・ハウシネマシーズン2019/2020の次のバレエ作品は「眠りの森の美女」。少し間があいて5月8日(金)からのスタートです。(北海道のみ5月15日から)楽しみに待ちたいと思います。
眠れる森の美女 | 「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」公式サイト
こちらはリアン・ベンジャミンとカルロス・アコスタのヴァロア版「コッペリア」。2000年収録です。
★最後までお読みいただきありがとうございました。