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大人バレエとバレエ鑑賞を楽しむための情報発信ブログ

「五反田チャコットまつり2023」に行ってきました【大人バレエウェア】

2023年10月14日(土)15日(日)開催の「五反田チャコットまつり」に行ってきました。お馴染みのチャコットのセール、開催の様子などを記録しておきます。

「五反田チャコットまつり」

10月14日(土):9:00 ~ 17:00(最終入場16:30)
10月15日(日):9:00 ~ 16:00(最終入場15:30)

会場:五反田TOCビル13F 特別ホール

予約制完全廃止!自由入場に

2022年は11月上旬の金土日の3日間開催でしたが、今年は土日2日間。開催時期は1ヶ月近く早くなっています。2023年11月7日から一部商品の値上げがあるようなので、その前に開催ということなのかな?会場は昨年同様、五反田TOCビルでした。

新型コロナウィルス感染拡大の影響で始まった予約制入場。今年6月の「新宿チャコットまつり」は完全予約制ではなくなったものの、混雑が予想される初日の午前中のみ予約制になっていました。

今回「五反田チャコットまつり」は予約制は完全廃止。自由に入場できるようになりました。入場にはオンワードメンバーズへの登録が必要。入り口でマイページのバーコードを提示します。

来場ポイント(10pt)がもらえますが、「チャコットまつり」のお買い物にポイント利用はできません。(ポイント付与もなし)

私が会場に着いたのは、初日14日(土)の10時半ごろ。開場から1時間ほど経ってからでしたが、並ぶこともなくスムーズに入場できました。会場内もそれほど混雑していませんでした。

商品点数豊富

ざっと見たところ、開場全体の2/3強ぐらいがバレエ用品、残りはヨガ・フィットネス・ウェア。少しだけコスメ用品などもありました。

バレエ用品の1/3ぐらいはジュニア・キッズ用品、2/3ぐらいが大人バレエ用品。レオタードを中心にボトム、トップス。種類はさほど多くないですが、タイツやバレエシューズ、ロールケース、ボディファンデーション、レッスンバッグなども。

割引率はいつもどおり、色別の札で商品に下がっています。レオタード、ボトム、トップスは、私が見た限りでは30%OFF〜80%OFF。30%が一番多く、40%はちらほら、50%以上は貴重という感じ。さらっとしか見ていませんが、ヨガ・フィットネスウェアの方が割引率高めな印象で、50%OFF以上も多かったです。

ここ1〜2年で見てきたチャコットまつりと比較して、今回大人バレエウェアはかなり点数が豊富だった印象です。会場でたまたま耳にしたのですが、レオタードのサイズの有無を尋ねられたスタッフの方が「今回は全部出しなので、在庫はないんですよ」と答えていました。「補充がない分、点数が多いのか」と思ったのですが、昼過ぎにだいぶ隙間が出来てきたスカートのラックに、まとめて商品を追加しているスタッフの人を見かけたりもして…。果たして補充はあるのか、ないのか、2日目はどんな様子になるのか気になります。

コラボアイテムやFREEDも

今回FREED OF LONDONはけっこう出てました。元値がいいお値段ではありますが、ときどき60%OFFなど割引率が高いものが紛れているので要チェックです。FREED OF LONDONは着ると形がきれいなものが多くて、生地が柔らかくて着心地もいいので、毎回なにかしら試着します。生地が柔らかい分、補正効果はあまりない…もっと鍛えねば。

ダンサーコラボでは、中村祥子さんコラボや、「新宿チャコットまつり」では見つけられなかった菅井円加さんコラボが出てました。

菅井円加さんコラボは個人的に狙っていたので試着しましたが、全く似合わず購入を断念 。円加さんが着てると素敵なんだけどな…。

 

試着点数制限なし!集団試着室対策をお忘れなく

今回もパーティションに囲まれたスペースに、姿見がずらっと並ぶ集団試着室。ほとんど並ぶことなく、試着できました。

今年の「新宿チャコットまつり」とちがっていたのは、試着点数制限がなかったこと!新宿では5点以上は一旦、入り口のところに置いていくように言われたのですが、今回は試着し放題。これは嬉しかったです。

後悔したのは、集団試着室対策をしてこなかったこと。普段レオタードの下につけてるようなスポーツブラ的なものを着用していくと便利です。もしくはボディファンデーションを持参するか(もちろんボディファンデーションを着用して行ってもいいですけど、トイレが大変なのがネック)。

普通のブラをしているとサイズ感がわからないですし、レオタード試着のたびにブラをつけたり外したりするのが大変で!

なかには全く周囲を気にせずに、ノーブラで堂々と着替えてる人もいましたが 笑。

自宅から持参(もしくは着用?)してきたと思われるバレエタイツで試着している準備万端な方も、けっこう見かけました。

おわりに

2022年のパターンだと、「五反田チャコットまつり」のあとに「インターネットチャコットまつり」が開催されていますが、今年はどうでしょうか?昨年とは微妙に開催パターンが変わってきているので、読めません。

もし開催されたら、「五反田チャコットまつり」で迷って購入しなかったものを、「インターネットチャコットまつり」で結局買ってしまう…みたいなことがないように気をつけないとね (←経験あり)。

インターネットチャコットまつりの記事はこちら!

www.balletaddict.com

 

★最後までお読みいただきありがとうございました。

『The Artist〜バレエの輝き〜』Program 2 & 4【バレエ 鑑賞メモ】

小林ひかるさんプロデュースのガラ公演『The Artist〜バレエの輝き〜』、8月12日(土)のマチネとソワレを鑑賞しました。ソワレ(Program 2 & 4)の鑑賞メモです。

冒頭の写真はカーテンコールを撮ったもの。今回カーテンコールだけ撮影OKでした。

マチネ(Program 3& 1)の感想はこちら↓

www.balletaddict.com

 

公演概要

『The Artist〜バレエの輝き〜』Program 2 & 4

8月12日 (土) 18:00開演

文京シビックホール 大ホール

芸術監督:小林ひかる(元英国ロイヤル・バレエ団)

出演:

【英国ロイヤル・バレエ団】

マリアネラ・ヌニェス、マヤラ・マグリ、金子扶生、ワディム・ムンタギロフ、マシュー・ボール、ウィリアム・ブレイスウェル、五十嵐大地

【アメリカン・バレエ・シアター】

キャサリーン・ハーリン、アラン・ベル、山田ことみ

【ニューヨーク・シティ・バレエ】

タイラー・ペック、ローマン・メヒア

 

【上演スケジュール】

第1部 65分

休憩 20分

第2部 60分

 

2020年の小林ひかるさんプロデュースの公演『輝く英国ロイヤルバレエのスター達』では3つのプログラムを2つずつ組み合わせた公演でしたが、今回は4つのプログラムを2つずつ組み合わせた公演。

ソワレで上演されたのは、ガラ公演ではお馴染みの定番クラシック演目を集めたプログラム「The Classics」と、タイラー・ペックとベンジャミン・エラ振付による世界初演2作品からなる「The Future」でした。

 

2020年の『輝く英国ロイヤルバレエのスター達』の感想はこちら↓

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第1部 The Classics(Program2)

『ドン・キホーテ』よりグラン・パ・ド・ドゥ

音楽:ルードヴィヒ・ミンクス

振付:マリウス・プティパ

出演:キャサリン・ハーリン、アラン・ベル

ABTの『ドン・キホーテ』といえば、遠い昔に来日公演を観ているはずと調べてみたら2011年の公演でした。ABTの『ドン・キホーテ』はとにかく陽気で、派手で、エネルギッシュだった記憶があります。

2人の踊りは、そのときのABTのイメージとはちょっと違って、華やかさはありつつも、正統派の端正な踊りでした。

マチネで踊った『葉は色あせて』とは対照的な演目ですが、この演目でもキャサリン・ハーリンのラインの美しさが際立っていました。

『コッペリア』よりグラン・パ・ド・ドゥ

音楽:レオ・ドリーブ

振付:マーラー (サン=レオンに基づく)

出演:金子扶生、ワディム・ムンタギロフ

『シンデレラ』に続いて、白い衣裳で登場の金子扶生さんとワディム・ムンタギロフ。

英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマでヌニェス&ムンタギロフの『コッペリア』を観たときも思いましたが、ムンタギロフのフランツはいいな〜。本来のキャラクターに近いのか、伸び伸びしてる。もちろん王子もいいんですけど。結局何を踊っても素敵、ということでしょうか 笑。

金子さんの揺るぎないテクニックに支えられたスワニルダも輝いていました。

欲を言えば、金子さんの艶やかさや、演技力が生きるようなドラマティックな演目も観たかった気もします。今回、金子&ムンタギロフ組が踊ったのは、新作を別にすると、『シンデレラ』と『コッペリア』。ちょっと振り幅が少ないというか…。

『海賊』よりグラン・パ・ド・ドゥ

音楽:リッカル・ドリゴほか

振付:マリウス・プティパ

出演:山田ことみ、五十嵐大地

山田ことみさんと五十嵐大地さんのキレのあるテクニックを堪能しました。

五十嵐さんは回転もジャンプの高さも素晴らしかった。山田さんはABT入団2年目とは思えない安定感。ABTでの今後の活躍が楽しみです。

山田ことみさんと五十嵐大地さんは、今回の公演ではバレエ団が異なる唯一のペア。定番の演目で観ると、2人の相性の良さがよくわかりました。体格のバランスもよく、踊りの質も似てる。小林ひかるさんの采配が光りますね。

YAGPの公式チャンネルより。9歳の五十嵐さんの映像からはじまり、最後は19歳の五十嵐さんのアリが観られます。

www.youtube.com

『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

振付:ジョージ・バランシン

出演:タイラー・ベック、ローマン・メヒア

マチネの『Who Cears?』に続き、本家NYCBによるバランシン作品。こちらも素晴らしかった!

超絶技巧の振付をここまでスピーディーかつパワフルに踊りながら、音楽と遊んでいるような余裕を感じさせるタイラー・ベックとローマン・メヒア。

タイラー・ベックが放つ陽のエネルギーがすごくて、観ているだけで高揚しました。

前回の『輝く英国ロイヤルバレエのスター達』のローレン・カスバートソンの名演も忘れられませんが、今回の『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』も長く記憶に残りそうです。

オリジナルの女性の衣裳は、舞台で観るとけっこうベージュ寄り。もっとピンクかと思っていました。

『ダイアナとアクティオン』のグラン・パ・ド・ドゥ

音楽:チェレーザ・プーニ

振付:アグリッピーナ・ワガノワ

出演:マヤラ・マグリ、マシュー・ボール

少し意外な演目でしたが、予想外に2人に合っていました。

何よりマシュー・ボールのアクティオンの精悍さに目を奪われました。ブロンズっぽい色の腰布の衣裳が似合い過ぎる。

マヤラ・マグリの野生的なしなやかさもダイアナにぴったりでした。

 

マシュー・ボールのインスタグラムより。すごい瞬間を捉えた写真。

 
 
 
 
 
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『グラン・パ・クラシック』

音楽:ダニエル=フランソワ=エスプリ・オーベール

振付:ヴィクトル・グゾフスキー

出演:マリアネラ・ヌニェス、ウィリアム・ブレイスウェル

”The Classics”の最後にふさわしい『グラン・パ・クラシック』でした。

マリアネラ・ヌニェスの風格を感じさせる佇まい、マチネのローズ・アダジオに続いて、微動だにしないバランスが見事。

プリンシパルだらけの今回のメンバーの中でも、ヌニェスは特別なオーラを漂わせていた気がします。

ウィリアム・ブレイスウェルもよかった…と思うのですが、ヌニェスの印象が強すぎて、あまり記憶に残ってない…。

 

第2部 The Future(Program4)

ワールド・プレミア2作品という意欲的なプログラム。

タイラー・ペックとベンジャミン・エラは、フェデリコ・ボネッリが芸術監督を務めるノーザン・バレエが2023年9月に上演するトリプル・ビル『GENERATIONS』で作品を発表することになっています。小林ひかる&フェデリコ・ボネッリ夫婦共同プロジェクトなんでしょうか。

ノーザン・バレエではベンジャミン・エラは今回と同じ作品、タイラー・ペックは別の新作を振付ているよう。

 

ノーザン・バレエの『GENERATIONS』のページ↓

Generations: | Northern Ballet

今回の公演とは関係ないけど、リハーサルの様子を紹介したこのページに貼ってあるTikTokのタイラー・ペックのノリのよさ!

Inside Tiler Peck’s rehearsals with Northern Ballet | Northern Ballet

『Harmony in Motion』(世界初演)

音楽:フィリップ・グラス、チック・コリア

振付:タイラー・ペック(NYCB)

出演:タイラー・ペック、キャサリン・ハーリン、山田ことみ、アラン・ベル、ローマン・メヒア、五十嵐大地

演奏:滑川真希(ピアノ)

ピアノのまわりに集まる6人のダンサーのシルエットから始まる、印象的な幕開け。

フィリップ・グラスとチックコリアの胸に迫るようなピアノ旋律にのせて、3組の男女が踊ります。この6人なかでも、やはりタイラー・ペックの踊りは目を惹きますね。

スピーディーな振付はバランシン的…といっていいのかな。フィリップ・グラスの楽曲や舞台上のピアノとダンサーとの絡みがあるところなんかは、ジェローム・ロビンズも思い起こさせます。

フィリップ・グラスの間にチック・コリアを挟んだ、選曲と構成が素晴らしかった。ピアノの滑川真希さんの提案によるものらしい。

女性はシンプルなネイビー(黒?)のレオタード に黒ベルト。男性はネイビーのタイツとトップスという、シックな衣裳も素敵でした。

『Joie de Vivre』(世界初演)

音楽:ジャン・シベリウス

振付:ベンジャミン・エラ(英国ロイヤルバレエ)

出演:マリアネラ・ヌニェス、マヤラ・マグリ、金子扶生、ワディム・ムンタギロフ、マシュー・ボール、ウィリアム・ブレイスウェル

演奏:山田 薫(ヴァイオリン)、松尾久美(ピアノ)

ダンサーとしてのベンジャミン・エラは、その品のある丁寧な踊りを多くの作品で観てきましたが、振付をしているとは知らなかった。

音楽はシベリウスの「ヴァイオリンとピアノのための小品」からの8曲。クラシカルな振付、はっきりしたストーリーはないものの、3組の男女の恋模様を想像させるような作品でした。

6人のプリンシパルたちの踊りは美しく、楽しめましたが…振付についてはそこまではっきりした印象は残らなかったかも。

衣裳は、女性はブルー、ピンク、イエローのドレス。男性はパートナーに合わせた色のシャツにグレーのタイツ。オーソドックスですが、色合いやテクスチャーがきれいでした。ベンジャンミン・エラの好みや表現したい世界が、むしろこの衣裳に現れていた気がする…。

おわりに

山田ことみさんのインスタグラムより。ダンサーたちの表情がいいですね。

 
 
 
 
 
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ダンサーたちの踊りはもちろんのこと、小林ひかるさんのコンセプトが印象に残った公演でした。

スターダンサーを集めたガラ公演は、ダンサーたちの素晴らしい踊りだけでも企画としては成立してしまうけど、観終わった後なんとなく物足りなく感じることも。やはりプロデュースは大事なんだなと改めて思いました。

そして、久しぶりのアメリカのダンサーたちは魅力的だった!ABTやNYCBは、もう来日してくれないんだろうか…。コロナ禍で中止になったNYCBの公演とか、そろそろどうですかね?!

 

ダンスマガジン2023年8月号には、『The Artist〜バレエの輝き〜』の出演者、タイラー・ペック、キャサリン・ハーリン、ローマン・メヒア、ウィリアム・ブレイスウェルのインタビューが掲載されています!

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★最後までお読みいただきありがとうございました。

『The Artist〜バレエの輝き〜』Program 3 & 1【バレエ 鑑賞メモ】

小林ひかるさんプロデュースのガラ公演『The Artist〜バレエの輝き〜』、8月12日(土)のマチネとソワレを鑑賞しました。まずは、8月12日(土)のマチネ(Program 3 & 1)の感想メモです。

 

公演概要

8月12日 (土) 13:00開演

文京シビックホール 大ホール

『The Artist〜バレエの輝き〜』Program 3 & 1

芸術監督:小林ひかる(元英国ロイヤル・バレエ団)

出演:

【英国ロイヤル・バレエ団】

マリアネラ・ヌニェス、マヤラ・マグリ、、金子扶生、ワディム・ムンタギロフ、マシュー・ボール、ウィリアム・ブレイスウェル、五十嵐大地

【アメリカン・バレエ・シアター】

キャサリーン・ハーリン、アラン・ベル、山田ことみ、

【ニューヨーク・シティ・バレエ】

タイラー・ペック、ローマン・メヒア

 

【上演スケジュール】

第1部 50分

休憩 20分

第2部 65分

 

2020年の小林ひかるさんプロデュースの公演『輝く英国ロイヤルバレエのスター達』がとてもよかったので、今回もぜひ観たいと思っていました。

前回は3つのプログラムを2つずつ組み合わせた公演。今回は4つのプログラムを2つずつ組み合わせた公演でした。

8月12日のマチネとソワレを観れば、4つのプログラムが全部観られる組み合わせになっているのがうまいな〜。というわけで久しぶりにマチソワしてしまいました。この日マチソワしていた人、かなり多かったのではないでしょうか?

今回は英国ロイヤル・バレエ団のダンサーたちに加え、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)とニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)のダンサーたちが共演するのもみどころ。

 

2020年の『輝く英国ロイヤルバレエのスター達』の感想はこちら↓

www.balletaddict.com

 

第1部 The Routine (Program 3)

ピアノ:蛭先あゆみ

振付:ベンジャミン・エラ

映像:アンドレ・ウスペンスキ

出演:全員

日常のレッスンを舞台上でみせてくれるというプログラム。少しショーアップされたりするのかなと思ってましたが、オーソドックスにフルのクラスをみせてくれました。毎年ワールド・バレエ・ディにYoutubeにアップされる英国ロイヤル・バレエ団のクラスの動画をライブで観ている感じ。

演出としては、映像作家が舞台上でダンサーたちを撮り、それがライブで舞台後方のスクリーンに映し出されることぐらい。面白い試みではあるけど、舞台上に生身のダンサーがいると、後ろのスクリーンにはあまり目がいかなかったな。(2階後方から観ていたので、スクリーンの上の方がかなり見切れていたということもありますが)

小林ひかるさんが登場するイントロダクションの映像が流れたあと幕が開くと、舞台上にはピアノとハの字型にバーが置かれていて、バーレッスンがスタートします。

指示を出すのは、Program 4で新作を振り付けたベンジャミン・エラでした。

アメリカ勢は、皆はじめて観るダンサーだったので、クラスを観て予習。山田このみさんのクリアな動きが目立っていました。NYCBのタイラー・ペックも明るいオーラがあって引きつけられます。

金子扶生さんはやっぱり華があるなぁ。金子さんの肩から腕のラインが好きなのですが、基本的な動きも美しくてうっとり。五十嵐大地さんのキレのあるジャンプや回転も目を引きます。

大好きなムンタギロフはバーの最後尾、照明のあまり当たらないところで、しかも黒っぽいウェア。バーの間はほとんど見えなかった。マリアネラ・ヌニュスは自分の内側に深く集中している印象。

センターレッスンは徐々に盛り上がり、最後の方では、自然に拍手もおこっていました。

ステージ上のピアノで演奏された蛭崎あゆみさんのピアノも美しかった。右と左で曲を変えてくれていたようで、たくさんの曲が聴けたのも楽しかった。

第2部 The Masters(Program  1)

マリウス・プティパからアレクセイ・ラトマンスキーまで、7人の振付家による7つの作品。バランスのいい見応えのあるプログラムでした。『輝く英国ロイヤルバレエのスター達』のときと同様に、各演目の上演前にダンサーたちのインタビュー映像が流れるのも興味深かったです。

『7つのソナタ』より

音楽:ドメニコ・スカルラッティ

振付:アレクセイ・ラトマンスキー

出演:山田ことみ、五十嵐大地

本来は3組の男女が踊るラトマンスキー作品から、ソロとデュエットの抜粋。

若手2人によるフレッシュで切れ味の良い踊りでした。

2人の踊りのムードは割とシリアスでしたが、振付はちょっとユーモラスな要素があるものでした。男性のジャンプの着地に2番プリエが多用されてたり。

『カルーセル』よりパ・ド・ドゥ

音楽:リチャード・ロジャース

振付:ケネス・マクミラン

出演:マヤラ・マグリ、マシュー・ボール

マクミラン最後の振付作品。ミュージカル作品『カルーセル』のリバイバル上演に際してマクミランが振り付けたデュエット、とのこと。

クラシックベースの振付ですが、全体の印象としては確かにミュージカル。少女ルイーズの恋模様がドラマティックに描かれます。少女はポアントではなくバレエシューズでした。

マヤラ・マグリの生命力に溢れた少女が見事。以前ローザンヌ国際バレエコンクールの展覧会で見た、10代のマヤラ・マグリの映像を思い出しました。

ちょっと不実な青年を演じるマシュー・ボールもよかった。やっぱり悪役で輝くな、マシュー・ボール!

2人のパートナーリングも素晴らしい。マクミラン特有の超絶難しそうなリフトやスローイングも、流れるようにスムーズでした。

『薔薇の精』より

音楽:カール・マリア・フォン・ウェーバー(エクトル・ヴェルリオーズ編曲)

振付:ミハイル・フォーキン

出演:ウィリアム・ブレイスウェル、山田ことみ

観る前はウィリアム・ブレイスウェルに『薔薇の精』のイメージは全くなかったのですが、予想外によかった。プリエの柔らかさやしなやかなポール・ド・ブラが美しかったです。

私の観る目がないんだと思いますが、「ウィリアム・ブレイスウェルの魅力が、いまひとつ掴めない」とずっ〜と思っていて。その分気になるダンサーでもあります。

『Who Cares?』より

音楽:ジョージ・ガーシュイン(ハーシー・ケイ編曲)

振付:ジョージ・バランシン

出演:タイラー・ペック、ローマン・メヒア

本家NYCBが踊るバランシン作品、最高でした。

エネルギーに溢れたタイラー・ペック、粋でかっこいいローマン・メヒア。2人とも、とにかくパワフルでスピーディー。超絶難しそうな振付を踊りながら、華やかでおしゃれなニュアンスを完璧に体現していて素晴らしかったです。

この作品、Youtubeでいろんなバレエ団が踊っているのを観ることができますが、NYCBの2人はやはり別格でした。

 

『葉は色あせて』より

音楽:アントニン・ドヴォルザーク

振付:アントニー・チューダー

出演:キャサリーン・ハーリン、アラン・ベル

 

キャサリーン・ハーリンは素晴らしいプロポーションのダンサーで、洗練されたラインが美しかった。

アラン・ベルは、どこかで見た顔と思ったら、映画『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』にでていた少年なんですね!

11歳のアラン・ベルくん。デニス・ガニオ(マチュー・ガニオのお父さん)に師事。

www.youtube.com

小柄だった少年は、長身でスタイルのいいダンサーに成長していました。現在24歳とのことですが、演目の印象も手伝ってか、もう少し落ち着いて大人っぽく見えた。

とても美しい2人の精緻な踊りは、この作品にとても合っていました。

『シンデレラ』よりパ・ド・ドゥ

音楽:セルゲイ・プロコフィエフ

振付:フレデリック・アシュトン

出演:金子扶生、ワディム・ムンタギロフ

シンデレラがポアントで階段を降りてくるところから始まるパ・ド・ドゥ。

ムンタギロフの王子が観られただけで満足。いつもながら、ノーブルで端正な踊り。白い上下に水色のサッシュの衣裳が似合い過ぎる。

金子扶生さんの輝きも素晴らしく、シンデレラにふさわしかったです。いつ観ても、ひとつひとつの動きの精度が本当に高い。

 

ムンタギロフのインスタグラムより。

でもムンタギロフって誰と組んでも、ちょっとだけ弟っぽく見えるな 笑。

 

『眠れる森の美女』よりローズ・アダージョ

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

振付:マリウス・プティパ

出演:マリアネラ・ヌニェス、ウィリアム・ブレイスウェル、マシュー・ボール、アラン・ベル、ローマン・メヒア

意表をつかれたのは、王子たちの衣裳。全員が白いシャツと黒いスラックスという出立ち。

4人一緒に出てきたときは、昼休みのサラリーマンかと思いました 笑。

シャツがなんかワイシャツっぽいんですよ、ノータイで1番上のボタンだけ開けてて。せめてウィングカラーとかのドレスシャツだったらいいのに。

まあ、サラリーマンと言っても、とんでもなくかっこいいサラリーマンですけどね。英米の美しいダンサー4人の共演、目の保養でした。

一瞬「オーロラの衣裳は?」と思ったけど、オーロラはスターンダードにピンクのチュチュ。

マリアネラ・ヌニュスの後光がさしているような堂々とした佇まいが圧巻。第1部のクラスで観た、求道者のような静かな姿とは全く違う。

見せ場である4人の王子たちの手を次々にとって、アチチュードバランスするところは、完全に自立していて王子のサポートなんて一切不用な感じ。

 

おわりに

2020年の『輝く英国ロイヤルバレエのスター達』のときも公演グッズが素敵だったのですが、今回も素敵で思わずトートバッグを購入してしまいました。チャコットとコラボのTシャツなんかも可愛かった。

ほかにも、パンフレットと配役表の紙の質感が揃っていたりと、細部まで小林ひかるさんのこだわりを感じる公演でした。

 

★最後までお読みいただきありがとうございました。