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大人バレエを思いっきり楽しむための情報ブログ

ドラマ『カンパニー 〜逆転のスワン〜』の注目ポイント、そして『プリマダム』【大人バレエつれづれ】

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ご覧になりましたか? 熊川哲也さん・Kバレカンパニーがバレエ監修を行うドラマ『カンパニー〜逆転のスワン〜』。

1月17日(日)には第2回の放送がありました。

 

[BSプレミアム・BS4K]毎週日曜 後10:00〜10:49<全8回>

*再放送は翌週日曜日の16:30〜17:20

会社ではリストラ候補、私生活では妻と子供に出て行かれた崖っぷちの主人公、青柳誠一が弱小バレエ団の特別公演『白鳥の湖』を成功させるミッションに立ち向かうストーリー。

  出演者のインタビューが読めます↓

www6.nhk.or.jp

キャストについての記事はこちら!

www.balletaddict.com

もう1人の主人公とも言えるスターダンサー高野悠を演じる宮尾俊太郎さんの「俺様」な感じがいい(笑)。役にハマっています。

Kバレエカンパニーのダンサーからの出演者、社長令嬢プリンシパル”有明紗良”役の小林美奈さん、バレエ団のトップダンサー”長谷山蒼太”役の栗山廉さんは、踊りのシーン以外の登場シーンはまだ少ないですが、これからの展開に期待。

主人公青柳誠一の妻はバレエを習っていた!

大人バレエ的一番の注目ポイントは青柳の妻、青柳悦子がバレエを習っている設定になっていること。これは原作にはなかった設定です。自分がバレエを習っていることに、夫が全く気がついていなかったことがきっかけで、悦子は家を出て行ってしまい、青柳のもとには悦子の「バレエ日記」が残される…

「大人からバレエ層」の関心をぐっと引き付けるこの設定、うまい(笑)。今後明らかになっていくであろう悦子の「バレエ日記」…気になります。

悦子を演じる小西真奈美さんは30歳からバレエを始めた、リアルな大人バレリーナ。

元英国ロイヤル・バレエ団のウェイン・スリープにレッスンを受けたドキュメンタリー番組「旅のチカラ バレエに恋して」(2013年)も話題になりました。

小西真奈美 | NHK人物録 | NHKアーカイブス

 スプリッツをする小西真奈美さん↓

 

『カンパニー』と『プリマダム』

大人バレエが出てくるドラマといえば、何と言っても2006年の『プリマダム』

黒木瞳、中森明菜、古田新太、高岡早紀、神田うの、松島トモ子、加藤雅也という非常に濃い顔ぶれのキャスティング、そしてなんと言ってもバレエ教師役の小林十市さんがかっこよく、さらに当時12歳の中島裕翔くんのバレエが見られるという見所満載(そしてツッコミどころも満載)の伝説のドラマ。

公式サイトがまだ見られる↓

www.ntv.co.jp

ふたつのドラマに出演しているのは、そう、黒木瞳さん!『プリマダム』では主人公のバレエを習う主婦、万田佳奈役、『カンパニー〜逆転のスワン〜』では敷島バレエ団を率いる敷島瑞穂役と両極端な役を演じているのも面白い。

『カンパニー〜逆転のスワン〜』はバレエ団が舞台の、人生崖っぷちサラリーマンの再生物語、『プリマダム』は、主婦たちがバレエに出会い自分を解放していく物語…と全然違うテーマのドラマではあるのですが、ここでの大人バレエの描かれ方の違いが、15年の時代の流れを感じさせます。

 

『プリマダム』の主人公、夫と2人の娘と暮らす万田佳奈は家事を一手に引き受け、空いた時間にはパートに精を出し、「家事もパートもきちんとやるから、私にも好きなことをやらせて!」と夫に頼み、やっとバレエをやらせてもらう。

一方『カンパニー〜逆転のスワン〜』の青柳悦子は夫に伝えることなく、バレエをはじめ、それに気がつきもしない夫は「私のことを全くわかっていない」と家をでる。

隔世の感がありますね…

果たして『プリマダム』の時代にはこれを違和感なく見ていたのだろうか…(ドラマ後半は、佳奈の夫と娘がバレエを始めるという、かなり斬新な展開ではあるのですが)

『カンパニー〜逆転のスワン〜』の場合は、逆に夫の青柳誠一が少し気の毒な気もします。今後この夫婦はどんな関係になっていくのでしょう。

ちなみに『カンパニー〜逆転のスワン〜』のバレエ監修は熊川哲也さん・Kバレカンパニーですが、『プリマダム』では小林紀子バレエ・シアターの小林紀子さんがバレエ監修をされています。

おわりに 

倉科カナさんが演じるトレーナーの瀬川由衣がバレエダンサーの体について興味を持って手に取る本が『インサイド・バレエテクニック』だったり…、ドラマで使われているBGMが『白鳥の湖』に使われている曲のアレンジだったり…と、細かいところまで要チェックのドラマ『カンパニー〜逆転のスワン〜』。

今後の展開やKバレエカンパニー協力の舞台シーンも楽しみです。

 バレエと体についての名著↓

 

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★最後までお読みいただきありがとうございました。

ニコライ・ツィスカリーゼ校長のプライベートレッスン?

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再放送のたびに話題になる、ワガノワ・バレエ・アカデミーの美しいバレエ男子たちの卒業までの90日間を追ったNHKのドキュメンタリー番組「バレエの王子になる!〜“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春〜」。 

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ミーシャ、アロン、マルコ、キリルの4人のバレエ王子と共に注目されたのは、ワガノワ・バレエ・アカデミーのニコライ・ツィスカリーゼ校長

4人への厳しい指導と、バレエはこうあるべきという確固たる信念、個性的なファッション(アニマル柄好き)など、濃すぎるキャラクターは視聴者に強烈な印象を残しました。

ニコライ・ツィスカリーゼ校長は、元ボリショイ・バレエ団の伝説的プリンシパルで、ロシアでは国民的な人気を誇る人物。

【ニコライ・ツィスカリーゼの略歴】

ロシアのグルジア出身。11歳からバレエをはじめる

1987年 ボリショイ・バレエ・アカデミーに転入

1992年 ボリショイ・バレエ・アカデミーを卒業し、ボリショイ・バレエ団に入団

1995年 プリンシパルに昇格。以後数々の古典作品や現代振付家の作品に主演

2003年 ボリショイ・バレエ・アカデミーの教師コースを修了。現役時代からボリショイ・バレエ団などで後進の指導を行う

2013年 ボリショイ・バレエ団を退団

2013年 ワガノワ・バレエ・アカデミーの校長代理に就任

2014年 ワガノワ・バレエ・アカデミーの校長に就任

 

この記事では、個人的にちょっと気になっているツィスカリーゼ校長出演の動画をご紹介します。

ニコライ・ツィスカリーゼ校長の10分間バレエレッスン

気になる動画は「ツィスカリーゼの10分間バレエレッスン」!

www.youtube.com

まず絵面からしてシュール…

自宅と思われる豪華なリビングで、猫を愛でながら、やる気のない感じでレッスンを指示するニコライ・ツィスカリーゼ校長。生徒は短パンにポロシャツ、坊主頭のおじさん(もちろん、ただのおじさんではありません)。レッスンを妨害するかのように、やたらとニャーニャー鳴く猫…。

ひたすら猫を愛でていると思いきや、生徒の間違いは決して見逃さず、いきなり大声をあげて注意!(7:55)

さすが熱血指導のツィスカリーゼ校長。注意はアームスの動きに関するものが多いですね。「手を閉じるのが先!」(たぶん)とか…

なんども同じことを注意された時の生徒役のおじさんのリアクションも面白い。

そしてツィスカリーゼ校長の上半身とアームスのお手本が美しい!椅子に腰をかけて猫を抱いたまま、テキトーにやってる感じなのですが、それでも美しい。アクの強いキャラクターとは裏腹に、動きは本当に柔らかくエレガントです。

生徒役のイリヤ・クズネツォフはツィスカリーゼの盟友

この短パン、ポロシャツのおじさんは、イリヤ・クズネツォフ

この10分間バレエレッスンの動画は彼のバレエスタジオのチャンネル「Smart Ballet」に投稿されている動画です。「Smart Ballet」にはツィスカリーゼ校長もたびたび出演。面白そうな動画がたくさんありますが、基本はロシア語。(せめて英語字幕があればいいのに…)

イリヤ・クズネツォフはツィスカリーゼ校長のモスクワ・バレエ・アカデミー時代からの同級生。ボリショイ・バレエ団などで踊った後は、2004年からボリショイ・バレエ・アカデミーで教え、名教師として知られていたそうです。彼の教え子には現在のボリショイのプリンシパル、ウラディスラフ・ラントラートフアルテミー・べリャコフの名前も!

こちらがイリヤ・クズネツォフのプロフィールページ(ロシア語です)

dancesecret.ru

 

2013年にボリショイ・バレエ団を解雇され、ワガノワ・バレエ・アカデミーの校長になったツィスカリーゼの後を追うように、イリヤ・クズネツォフも2015年にボリショイ・バレエ・アカデミーから、ワガノワ・バレエ・アカデミーに移籍しています。

たいして乗り気でない(たぶん…笑)ツィスカリーゼ校長に無理やり10分間バレエレッスンをやらせてしまう、そんなことができるのも、2人の絆があってこそなのでしょう。

*余談

イリヤ・クズネツォフのもう一つのチャンネル「Ilya Kuznetsov」ではかつての教え子たちの動画がたくさんアップされているのですが、東京バレエ団プリンシパルの秋元 康臣さんの動画も!(秋元康臣さんは2000年、12歳でモスクワ・バレエ・アカデミーに留学。2006年アカデミーを卒業)

www.youtube.com

おわりに

色々とツッコミどころの多い動画ではありますが、レッスンの内容は非常にシンプルで自宅でも取り組みやすいもの。基本的な動きが10分間で網羅され、音楽も美しく、自宅レッスン動画としてもお気に入りです。

ニコライ・ツィスカリーゼ校長に怒られながらレッスンしてみたい方は、ぜひお試しください!

 

ワガノワの生徒の8年間を追ったドキュメンタリー!ツィスカリーゼ校長も出演↓

ローラン・プティがツィスカリーゼのために振り付けた『スペードの女王』収録↓

 *ロシア語はわかりませんので、翻訳アプリ片手にこの記事を書きました。間違いがあればご指摘いただければ幸いです。

★最後までお読みいただきありがとうございました。

新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』ライブ配信【鑑賞レポート】

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1月11日の新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』無観客公演を、ライブ配信で鑑賞しました。劇場に観に行く予定だったこの公演、たとえ画面越しでも観ることができて、本当によかった。楽しい3時間を過ごすことができました。

配信の様子と感想のまとめです。

公演概要

1月9日から11日まで上演予定だった『ニューイヤー・バレエ』は関係者に新型コロナ感染が確認され、1月6日に中止が発表されました。しかしその後、関係者全員の陰性が確認されたことから、無観客公演のライブ配信が実現!

「ニューイヤー・バレエ」無観客ライブ配信(無料) 実施のお知らせ(2021年1月11日(月・祝)14:00~) | 新国立劇場 バレエ

『ニューイヤー・バレエ』新国立劇場バレエ団

1月11日(祝・月)14:00〜16:45

会場:新国立劇場オペラパレス(無観客上演)

*YouTube、Facebookで無料ライブ配信(アーカイブ配信はなし)

芸術監督:吉田都

指揮:冨田実里

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

第1部 パキータ 14:00〜14:40

第2部 Contact / ソワレ・ド・バレエ / カンパネラ 15:05〜15:35

第3部 ペンギン・カフェ 16:00〜16:45

ライブ配信がスタートすると、マスク姿の吉田都芸術監督が登場し、今回のライブ配信の経緯を説明しました。コロナ感染者が出て、ダンサーたちは3日間自宅待機を行い、その後無観客上演が決まり、急遽リハーサルを再開したとのこと。これだけの大規模な公演で、これだけのスピードで、当初予定されていなかった配信までこぎつけるとは素晴らしい統率力と組織力…

また、第3部の『ペンギン・カフェ』ではダンサーが声をあげる演出は、舞台上のダンサーは声をあげず、客席のダンサーがマスクをして声をあげる演出に変更したと説明がありました。

第1部  パキータ

音楽:レオン・ミンクス
振付:マリウス・プティパ

【キャスト】

米沢 唯、渡邊峻郁
パ・ド・トロワ:池田理沙子、柴山紗帆 、速水渉悟
バリエーション:寺田亜沙子、細田千晶 、益田裕子、奥田花純

北村香菜恵、木村優子、 多田そのか、 徳永比奈子、中島春菜 、原田舞子 、土方萌花、 廣川みくり 、廣田奈々、山田歌子 、横山柊子

新国立劇場バレエ団ではなんと18年ぶりの上演だという『パキータ』。終幕の結婚式のグラン・パを中心に、1幕のパ・ド・トロワが挿入された抜粋バージョンです。

コリフェやソリストたちは赤い衣裳、主役2人は真っ白な衣裳。米沢唯さんはいつもながら素晴らしいテクニック、堂々としたキレのある踊りでした。技術も容姿も粒揃いな群舞もとても華やかでした。

パ・ド・トロワでは、咋秋『ドン・キホーテ』のバジル役に抜擢されて、注目の速水渉悟さんが登場!テクニックもさることながら、登場するだけで舞台が明るくなる感じがいいですね。

ソリストのバリエーションでは、奥田花純さんの歯切れのいい踊りが印象に残りました。

第2部

当初の予定では、新制作のバランシン作品『デュオ・コンチェルタント』の予定だった第2部は新型コロナの影響で、小品3作品に変更になりました。

3作品のうち、2作品は、新国立劇場バレエ団のダンサーから振付家を育てるプロジェクト、NBJ Choreographic Groupから生まれた作品。

振付をおこなったのは木下嘉人さん、貝川鐵夫さん。「バレエ・チャンネル」に掲載されたお二人へのインタビューはこちら。読み応えあり!

balletchannel.jp

Contact

音楽:オーラヴル・アルナルズ

振付:木下嘉人

【キャスト】

小野絢子、木下嘉人

新型コロナの影響で中止になってしまった20203月の公演「DANCE to the Future 2020」で上演予定だった、ソリスト木下嘉人さんの振付作品。男女のデュオで、男性は木下嘉人さん自身が踊っています。

男女の触れ合いを描くちょっと切ない感じの作品で、小野絢子さんの雰囲気にあっていると思ったのですが、インタビューを読むと当初は米沢唯さんに振り付けられたものらしい。米沢唯さんのキャストでも観てみたい…

ソワレ・ド・バレエ

音楽:アレクサンドル・グラズノフ
振付:深川秀夫

【キャスト】

池田理沙子、中家正博

2020年9月に73歳で死去された深川秀夫さんの振り付け作品。吉田都芸術監督は追悼の意味も込めてこの作品を選んだと語っています。深川秀夫さんは1960年代からヴァルナ国際コンクールやモスクワ国際コンクールで入賞するなど、国際的に活躍する日本人バレエダンサーの先駆けとして知られ、振付家としても多くの作品を残しています。

『ソワレ・ド・バレエ』は1983年初演の作品からのガラ公演用に一部抜粋したパ・ド・ドゥ。星空の下で踊られるパ・ド・ドゥは、クラシックの振付に洒落たアクセントになる動きが加えられていて、ロマンチックで粋な印象。余韻が残る作品でした。

池田理沙子さんの柔らかな雰囲気が作品に合っていました。

カンパネラ

音楽:フランツ・リスト

振付:貝川鐵夫

ピアニスト:山中惇史

【キャスト】

福岡雄大


独特の存在感で新国立劇場バレエ団の公演にはなくてはならないダンサー、貝川鐵夫さんですが、「DANCE to the Future」で多くの振り付け作品を発表するなど、振付家としても期待されています。『カンパネラ』は今回で3回目の上演。舞台上に置かれたピアノの横で踊られる男性のソロ作品です。

この作品は素晴らしかった!

前出のインタビューで貝川さんはこの作品を「ピアニストとダンサーの格闘技」と表現されていましたが、言い得て妙。上半身は裸、下半身は黒い袴のような衣裳は武闘家を思わせます。

鋭く宙を切る腕、しなる上半身…暗い背景に浮かび上がるダンサーの肉体と力強いピアノの音の競演。張り詰めた空気が画面越しにも伝わってきました。

福岡雄大さんは古典作品の王子も素敵ですが、こういう音と一体になるようなソロ作品の方がより個性が引き立つような気がします。

 

第3部 ペンギン・カフェ

音楽:サイモン・ジェフス
振付:デヴィッド・ビントレー

【キャスト】

ペンギン:広瀬 碧

ユタのオオツノヒツジ:米沢 唯
テキサスのカンガルーネズミ:福田圭吾

豚鼻スカンクにつくノミ:五月女遥
ケープヤマシマウマ:奥村康祐
熱帯雨林の家族:本島美和、貝川鐵夫

ブラジルのウーリーモンキー:福岡雄大

www.youtube.com

サイモン・ジェフス率いる「ペンギン・カフェ・オーケストラ」の音楽を使用したデヴィッド・ビントレー振り付け作品。バレエに使用されている音楽はサイモン・ジェフスによってオーケストラ・バージョンにアレンジされています。

デヴィッド・ビントレーは音楽だけではなく、エミリー・ヤングが描いた「ペンギン・カフェ・オーケストラ」のレコードジャケットのイラストにもインスピレーションを得たと言われ、このイラストの世界がバレエ作品の衣裳にも反映されています。

 

 ポップな音楽が鳴り続け、動物のマスクをかぶったダンサーたちによる華やかなダンスが繰り広げられる明るくユーモラスな作品と思いきや、登場する動物たちは絶滅危惧種や絶滅種。ペンギン(オオウミガラス)はすでにこの世にいない…。

環境問題というテーマが根底にある異色のバレエ作品です。初演は1988年英国ロイヤル・バレエ団。30年以上前の作品とは思えません。

『ペンギン・カフェ』は2010年にデヴィッド・ビントレーが新国立劇場バレエ団の芸術監督に就任した際のシーズン開幕作品でもあります。

2010年の公演記録(米沢唯さん、福岡雄大さんが若い!)

ペンギン・カフェ/シンフォニー・イン・C/火の鳥 | 舞台写真・公演記録 | 新国立劇場

 

 作品は曲ごとに8つのパートに分かれ、クラシック、民族音楽など様々な要素を取り入れた音楽と同様に、サンバ、チャールストン、民族舞踊などの要素がミックスされた多彩なダンスが繰り広げられます。

かぶり物をかぶって踊るバレエは、考えただけで大変そうですが、全編を通して躍動感のある踊りが素晴らしかったです。

どことなく哀愁を帯びた燕尾服姿のペンギン(オオウミガラス)の踊りからスタートし、ペンギンマスクの燕尾服の男性とドレス姿の女性の男女ペアの踊りに。

米沢唯さんが演じるオオツノヒツジは大きなマスクにロングドレス。井澤駿さんをはじめとする5人の男性にエスコートされて踊ります。

福田圭吾さんのテキサスのカンガルーネズミは軽快なソロ。

五月女遥さんが演じる、豚鼻スカンクにつくノミは、ちょっと仮面ライダー感のあるマスクとオレンジの衣裳に、同じ色のポアント。ポアントでのユーモラスな動きが面白かった。

ちょっとゾッとするのは奥村康祐さんが演じるケープヤマシマウマのパート。大地に捧げるようなシマウマの踊りの後ろで、シマウマの毛皮を身につけ、ガイコツを頭に乗せた女性たちがモデルウォークのような動きを繰り返し、シマウマが撃たれても無反応…。

このモデルウォークの女性たちの中に米沢唯さんがいるのですが、オオツノヒツジ→シマウマモデル→エンディングはオオツノヒツジという早替え、かなり大変そう…。(この2役は何か意図のある配役なんでしょうか…?)

熱帯雨林の家族は、自然への畏敬を感じさせるおごそかな踊り。お母さんとお父さんは、本島美和さん、貝川鐵夫さん。2人ともマッシュルームカットが可愛い。エキセントリックな役の多い貝川鐵夫さんですが、父性を感じさせる静かな佇まいが新鮮に感じました。

ブラジルのウーリーモンキー役の福岡雄大さんの躍動感ある踊りも素晴らしかった。

サンバのようなリズムにのせた陽気な踊りの後、舞台は暗転。マスクをとる動物たち、にげまどう人間たち、降り出す雨。ラストは浮かび上がるノアの箱舟の前に佇む、乗り遅れたペンギンの姿…

前出のバレエチャンネルのインタビューで貝川鐵夫さんがデビット・ビントレーの振り付けを「(前略)音を聴いて、感じて、踊りながら作ったものだという感じがします。(中略)…振り付けが呼吸して生きているんです。」と話していましたが、『ペンギン・カフェ』はまさにそんな作品でした。今度はぜひ劇場で観てみたいです。

おわりに

心躍る3時間でした。吉田都芸術監督の英断に感謝です。

Twitterなどでは、はじめてバレエを観たけど面白かったという感想も目にしました。特にバレエとしては異例の作品と言える『ペンギン・カフェ』は、逆にバレエを観たことがない人にとっては、親しみやすいのかもしれません。 

ほとんど拍手のない公演は少し寂しくはありましたが、幕が降りた後ダンサーたちの笑い声が聞こえてきたのが、嬉しかった。

 

 芸術監督吉田都さんを追ったドキュメンタリー番組の感想はこちら

www.balletaddict.com

新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』の配信は2021年1月15日(金)まで!

chicoissyo.com

 

 ★最後までお読みいただきありがとうございました。