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『NHK バレエの饗宴2024』【バレエ鑑賞メモ】

2024年のバレエ鑑賞はじめは、『NHK バレエの饗宴 2024』から。

永久メイさん、金子扶生さん、中村祥子さん、米沢唯さんという、まさに今観たいダンサー勢揃いの公演でした。

この公演はNHK Eテレで放映されます。

放送予定:2024年2月18日(日)21:00〜 NHK Eテレ「クラシック音楽館」

*2024.2.18追記

小澤征爾さんの追悼番組放送のため、『NHKバレエの饗宴』の放送は延期になりました。放送日は決まり次第発表とのことです。

前回、『NHK バレエの饗宴 2022』の感想はこちら↓

www.balletaddict.com

 

公演概要

『NHK バレエの饗宴 2024』

2024年1月27日(土)17:00開演

NHKホール

指 揮:井田勝大
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

【上演スケジュール】

第1部(約40分)
L’heure bleue
休憩(20分)
第2部(約50分)
『眠りの森の美女』からグラン・パ・ド・ドゥ
『くるみ割り人形』からグラン・パ・ド・ドゥ
(舞台転換)
幻灯(改訂版)

休憩(25分)

第3部(約35分)
『ドン・キホーテ』第3幕

東京シティ・バレエ団「L’heure bleue(ルール・ブルー)」

振付: イリ・ブベニチェク
音楽: バッハ、モーツァルト、ボッケリーニ

舞台美術・衣裳デザイン:オットー・ブベニチェク

バレエミストレス:若林美和
出演: 岡博美、平田沙織、植田穂乃香、折原由奈、石塚あずさ、吉留諒、沖田貴士、福田建太、岡田晃明、林高弘

イリ・ブベニチェク振付作品。はっきりしたストーリーはないけれど、ひとりの女性を巡っての恋の駆け引きなどが、ちょっとユーモラスに表現された洒落た作品でした。

絵画がモチーフになっていて、大小の額縁が効果的な装置や小道具として登場します。絵画の中からダンサーたちが飛び出してくる感じが印象的。

衣裳・美術のデザインはイリ・ブベニチェクの双子の弟、オットー・ブベニチェクによるもの。バロック調のクラシックな衣裳と、スピーディーで躍動感のある現代的な振付の組み合わせが新鮮でした。なかでもバロック調の長い男性の上着に短パンに素足という、女性用の衣裳がカッコよかった。

オットー・ブベニチェクのYouTubeチャンネルより。

www.youtube.com

ノースカロライナ・ダンス・シアター、2013年とあるので、おそらく世界初演時の映像ですね。東京シティ・バレエ団のレパートリーは曲数を増やしたスペシャル・バージョンとのことです。

永久メイ&フィリップ・スチョーピン『眠りの森の美女』からグラン・パ・ド・ドゥ

振付: コンスタンチン・セルゲーエフ(プティパ版に基づく)
音楽: チャイコフスキー
出演: 永久メイ(マリインスキー・バレエファーストソリスト)
フィリップ・スチョーピン(マリインスキー・バレエファーストソリスト)

永久メイさんの、柔らかにしなる上半身、高く高く挙げられたアチチュードの脚のライン…溜め息がでます。もともと長い手脚が、踊りはじめるとさらに長く見える。体の7〜8割が脚みたいな感じ 笑。

生まれ持った資質、絶え間ない努力、強靭な精神力、すべて兼ね備えてる人なんだろうなと、改めて感じさせる見事な踊りでした。

永久メイさんのインスタグラムより。

 

金子扶生&ワディム・ムンタギロフ『くるみ割り人形』からグラン・パ・ド・ドゥ

振付: ピーター・ライト(イワノフ版に基づく)
音楽: チャイコフスキー
出演: 金子扶生(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)ワディム・ムンタギロフ(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)

陳腐な例えですが、金子扶生さんの大輪の花のようなゴージャスな輝きと、ワディム・ムンタギロフのピュアな輝き。2人とも眩しすぎます。

ワディム・ムンタギロフのノーブルでありながら温かみのある踊りは、いつ観ても心に沁みる。パートナーリングも本当に丁寧。

白にオレンジのアクセントが入ったキラキラの衣裳も素敵でした。

金子扶生さんのインスタグラムより。衣裳は英国ロイヤル・バレエ団の『くるみ割り人形』のものですが、髪とティアラは全幕とは違いますね。

 

中村祥子&小㞍健太 「幻灯」(改訂版)

振付: 小㞍健太
音楽:マックス・リヒター (録音音源)
出演:中村祥子(Kバレエカンパニー名誉プリンシパル)、小㞍健太

振付協力・指導:渡辺レイ

衣裳:matohu

幕が開くと、朝靄のようなスモークの中、白い衣裳と素足で踊り始める中村祥子さん。やがて祥子さんのうしろに影のように寄り添う黒い衣裳の小㞍健太さん。その姿が舞台の黒い床にくっきりと映り込みます。まるで水面に映っているみたい。

前の演目からの舞台転換がやや長めだったのですが、きっとこの床を張っていたんですね。

祥子さんは素足で踊り始め、途中でポアントになり、最後はまた素足に戻る。

表題の「幻灯」とは、強い光を照らして映写幕へ映してみせる装置のことで、舞台に自自身を投影させるダンサーたちの「瞬間を記録する」という意味を込めた。

パンフレットに書かれたこの一文のとおり、おふたりのダンサーとしての長いキャリアと現在が投影された舞台に強く引き込まれました。

衣裳はファッションブランド”matohu”によるもの。祥子さんの白いレースの衣裳は、雪の結晶のデザインとのことで、様々な文様の6角形がつなぎ合わされた凝ったものでした。

小㞍健太さんのインスタグラムより。リハーサルの動画。

 

新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』第3幕

振付: マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー
改訂振付: アレクセイ・ファジェーチェフ
音楽:ミンクス

美術・衣裳:ヴァチェスラフ・オークネフ

照明:梶 孝三
出演:   

キトリ:米沢唯

バジル:速水渉悟

ドン・キホーテ:趙 載範
サンチョ・パンサ:福田圭吾

ボレロ:川口藍、中島瑞生
グラン・パ・ド・ドゥ
第1ヴァリエーション:山本涼杏
第2ヴァリエーション:直塚美穂

新国立劇場バレエ団の2023/24シーズンの開幕作品『ドン・キホーテ』より第3幕。セットも立ち役の貴族たちもすべて全幕公演通りの豪華版。プログラムの最後にふさわしい、明るく華やかな舞台で、客席も盛り上がりました。

グラン・パ・ド・ドゥコーダで、米沢さんの手のポジションを変えつつ、さらに扇子を開閉しながらの回転とか、もう人間業じゃない…。速水渉悟さんのキレも素晴らしい。

新国立劇場の公式YouTubeチャンネルで、このふたりのグラン・パ・ド・ドゥのコーダが観られます。

www.youtube.com

昨年秋の新国の全幕も米沢唯さんと速水渉悟さんの組を観ました。今回メインのキャストは、ほぼこのときの全幕公演と同じでしたが、ボレロのキャストだけは違ってた。中島瑞生さんのソロの踊りが久しぶりに観られて嬉しい。中島さんののキャラクターダンス、派手さがあり、カッコよくて好きです。

おわりに

大好きなダンサーたちの踊りを観られただけでも満足!なのですが、前回『NHK バレエの饗宴 2022』の「Pas de quatre(パ・ド・カトル)」や「Variations for four(バリエーション・フォー・フォー)」のように、バレエ団の垣根を越えての夢の共演が観られる演目がなかったのは、少し残念でした。ああいう演目は、お金も時間もかかって大変ではあるとは思うのですが…贅沢ですかね…。

 

ダンスマガジン2024年3月号には、中村祥子さんと小㞍健太さんのリハーサルレポートが掲載されています。

 

★最後までお読みいただきありがとうございました。