Kバレエ カンパニーの『海賊』を観てきました。Kバレエカンパニー では最後となるであろう、中村祥子さん×遅沢祐介さんの出演日、10月17日(土)の夜の公演です。(おふたりの最終出演日は翌日の18日)。
この公演後11月からは、中村祥子さんは名誉プリンシパルに、遅沢祐介さんはゲスト・ステージング・レペティトールに就任します。
『海賊』は、当初5月に予定されていましたが、コロナの影響で延期に。Kバレエカンパニーとしては、今年1月末〜2月初旬の『白鳥の湖』以来の舞台公演。
芸術監督 熊川哲也さんが語る舞台再開への思い↓
政府のイベント開催の指針、観客50%の規制は緩和になりましたが、この日の公演は観客50%のままの上演。来場者の登録、手指や靴裏の消毒、ブラボー禁止、分散退場など、徹底したコロナ対策がとられていました。
次の12月の公演『くるみ割り人形』も今のところ、前後左右を開けた50%の座席発売になっています。
公演概要
『海賊』全2幕 Kバレエカンパニー
2020年10月17日(土) 17:00〜
Bunkamura オーチャードホール
芸術監督:熊川哲也
音楽:アドルフ・アダンほか
原振付:マリウス・プティパ
演出/再振付/台本改訂:熊川哲也
音楽:2015年ライブ録音による特別音源(指揮:井田勝大 管弦楽:シアターオーケストラトウキョウ)
【キャスト】
メド―ラ:中村 祥子
コンラッド:遅沢 佑介
アリ:伊坂 文月
グルナーラ:結城 亜美
ランケデム:栗山 廉←髙橋 裕哉
ビルバント:宮尾 俊太郎
サィード パシャ:ビャンバ・バットボルト
海賊の男たち:堀内
オダリスク第1バリエーション:佐伯美帆
オダリスク第2バリエーション:戸田梨紗子
オダリスク第3バリエーション:毛利実沙子
*高橋裕哉さんはケガで降板。ランケデムは栗山廉さんに変更になりました。
【上演スケジュール】
第1幕 50分
休憩 25分
第2幕 65分
気品溢れる中村祥子さん
個人的には、3月初旬のパリ・オペラ座来日公演以来、8ヶ月ぶりの劇場で観るバレエ 。この日を待ちかねていました。
幕開け後、しばらくして中村祥子さんが登場し、きれいなアチチュードを繰り返して、上手から下手に移動するところでは、ちょっと涙が出てしまった(笑)
あ〜劇場に戻ってこれた!これが観たかった!という感じでした。
中村祥子さんは相変わらずの揺るぎないテクニック気品溢れる佇まいの、美しいメドーラでした。遅沢祐介さんと共にしっとりした大人のメドーラ&コンラッドをみせてくれました。
今回の公演で中村祥子さん、遅沢祐介さんの組はなんと、4日連続の登板!お二人ともKのプリンシパルとしては最後の公演、なおかつ観客50%という異例の状況から決まったキャストなのでしょうが、4日無事に踊り切ったのはさすが。
こちらは楽日の中村祥子さん、遅沢祐介さんの最後のカーテンコール↓
今回観るのを楽しみにしていたのは9月にソリストとして入団した 元サンフランシスコバレエ団の結城亜美さん演じるグルナーラ。顔写真のイメージでは小柄な方を想像していましたが、中村祥子さん並みに長身でスレンダー。手足が長いです!2人が並ぶと本当の姉妹に見えます。
手の動きがしなやかで女らしい印象があり、憂いのある表情はグルナーラにぴったり。バヤデールのニキヤなども似合いそう。
(結城亜美さんは翌日の公演もグルナーラで出演予定でしたが、降板しています。特に怪我とは書いていないのですが…。ランケデムが髙橋 裕哉さんから石橋奬也さんに変更になったことによるものか…?)
アリの伊坂文月さんは、引き締まったキレのある踊り。熊川版の『海賊』ではアリが全体のドラマの要にもなっていますが、伊坂さんの演技は割と控えめで、ちょっとミステリアスな雰囲気のアリでした。
宮尾俊太郎さんのビルバントもはまり役。黒い衣裳が似合っていて、さすがの存在感。
ランケデムの栗山廉さんは王子様タイプと思っていましたが、以外にいやらしい感じの悪役もよかった。
また「鉄砲の踊り」のソリストなどを踊っていた山田蘭さんが、華やかな佇まいで目立っていました。
堀内將平さんがプリンシパルに昇格 !
観に行ったのは10月17日(土)のソワレ。同日のマチネ公演では堀内將平さんが
堀内さんはソワレでも、海賊の一員として、キレのある踊りを観せてくれました。
昇格の瞬間↓
おわりに
やっぱり劇場で観るバレエはいいですね!
50%しか観客のいない劇場は、はじめのうちこそさびしく感じましたが、最後は熱く盛り上がりました。空いている隣の席の分まで、拍手しよう!そう思っていた人も多かったのではないでしょうか。
新シーズンからのKバレエカンパニーの若手の活躍や、中村祥子さんが今後どんな活動をされていくのかが楽しみです。
★最後までお読みいただきありがとうございました。