Kバレエ カンパニーの『くるみ割り人形』12月5日(土)17:00の公演をライブ配信で鑑賞しました。主演は小林美奈さんと栗山廉さんです。
公演概要
『くるみ割り人形』全2幕 Kバレエカンパニー
2020年12月5日(土) 17:00〜
Bunkamura オーチャードホール
芸術監督/演出/振付:熊川哲也
原振付:レフ・イワーノフ
オリジナル台本:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
指揮:井田勝大 管弦楽:シアターオーケストラトウキョウ
【キャスト】
ドロッセルマイヤー:宮尾 俊太郎
マリー姫:小林美奈
くるみ割り人形/王子:栗山 廉
クララ:吉田このみ
人形王国の王様 / Dr.シュタールバウム:ニコライ・ヴィユジャーニン
人形王国の王妃 / シュタールバウム夫人:山田蘭
ねずみの王様:西口直弥
フリッツ:関野海斗
雪の女王:毛利実沙子
雪の王:石橋奨也
アラビア人形:成田紗弥、髙橋 裕哉、杉野慧
スペイン人形:佐野佐代子、新居田ゆり、中井皓己、田中大智
中国人形:河合有里子、本田祥平
ロシア人形:酒匂麗、
フランス人形:萱野望美、吉田早織、塚田真夕
【上演スケジュール】
第1幕 50分
休憩 25分
第2幕 50分
10月の『海賊』公演では、コロナの影響で音楽は録音でしたが、今回はオーケストラ。
わかりやすい物語でお子さんも楽しめる、Kバレエカンパニーの熊川版『くるみ割り人形』の特徴については、昨年の『くるみ割り人形』in Cinemaの感想で触れました。
シネマは中村祥子さん、遅沢祐介さんが主演!↓
小林美奈さんの端正な踊り
主演の小林美奈さんと栗山廉さんは2021年1月放送スタートのBSプレミアムのドラマ『カンパニー』に出演予定。
この投稿をInstagramで見る
ドラマ撮影中の小林美奈さんと栗山廉さん。小林美奈さんのインスタグラムより。
小林美奈さん主演の公演ははじめて観ましたが、一つ一つの動きをきっちり決めて流さない、端正な踊りでした。熊川版のかなり難しそうなグラン・パ・ド・ドゥのバリエーションも乱れることなく踊っていました。
くるみ割り人形/王子の栗山廉さんは、長身でスタイルが良くハンサム。くるみ割り人形の被り物をとったときも「ハンサムな王子登場!」みたいな感じで納得感があります。踊りと演技は爽やかでマイルド。
ベテランの存在感とフレッシュな若手の活躍
栗山廉さんのマイルドな王子に対して、アクの強い存在感を放っているのがベテラン宮尾俊太郎さんのドロッセルマイヤー。ドロッセルマイヤーの衣裳の派手な柄のマントがやたらと似合う。クララの吉田このみさんと組んで踊る場面などは躍動感があり、クララも生き生きとして見えました。
人形王国の王妃 / シュタールバウム夫人の山田蘭さんも、いつも目を引く存在。優美で華やかな存在感はさすがです。
雪の女王は、別の公演ではマリー姫にもキャスティングされている毛利実沙子さん。表情や踊りは現代的で生き生きとした感じ。雪の精のコールドバレエは揃っていて迫力がありました。いつもながら雪の量もすごい!
アラビア人形は成田紗弥さん、髙橋 裕哉さん、杉野慧さんの豪華キャスト。ちょっと三角関係っぽいシチュエーションを成田紗弥さんがとても楽しそうに演じていてよかった。
スペイン人形では、田中大智さんが目を引きました。動きがシャープで、勢いがある踊り。
ロシア人形は酒匂麗さんと佐野朋太郎さん。
フランス人形では萱野望美さんのラインがきれいでした。
ライブ配信ではストレスなく鑑賞
国内バレエ公演の有料ライブ配信の鑑賞は今回がはじめて。 それぞれの通信環境によるところが大きいと思いますが、ライブ配信は特にストレスなく鑑賞できました。映像が乱れたりすることもなかったです。
劇場内の様子が映ったり、開演前のオーケーストラの慣らし演奏(?)が聞こえたりするのは臨場感があっていいですね。
劇場で公演を観る時は、観ることに没入できますが、自宅でアーカイブ配信を観るときは、集中力がそがれることが多い。トイレに行きたくなったり、メールの着信が気になったり…。その集中力の差も、受け取る感動の差の一因になっている気がします。
今回のようなライブ配信だとライブで見届けたいという気持ちが働き、かなり集中できました。幕間の休憩も劇場公演と同じ長さなので、幕間でトイレと飲食を済ませることもできます。
さらに終演後のアーカイブ配信で、細部をじっくり見返すことができるのは配信のいいところ。以下に紹介したKバレエの公式チャンネルでは、生の舞台を観た後に、アーカイブ配信で見直すのもおすすめとのこと。確かに生の舞台を観て気になったダンサーを、すぐにアーカイブでチェックできたらいいですね!(お金はかかりますが 笑)
今回のアーカイブ配信は、ライブ配信スタートから24時間でしたが、欲を言えばもう少しアーカイブ配信が長いといいな〜。
劇場で観るバレエが一番ではありますが、新しい鑑賞スタイルとしてライブ配信が今後も継続されることを願います。
Kバレエカンパニー公式サイトより。10月に行われた『海賊』ライブ配信の裏側を関野海斗さんがレポート。Kバレエの配信を支えているのはTBSの技術!
2:46からのプロデューサーが語るバレエの撮影についての話が興味深い。
おわりに
大幅な世代交代期を迎えているKバレエカンパニー。
ダンサーのプロフィールを見ると、Kバレエスクール出身者がかなり多くなってきています(特に男性)。熊川哲也さんが自ら育てたダンサーたちがこれからどんなKバレエカラーを創っていくのか、注目です!
★最後までお読みいただきありがとうございました。