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平野亮一×菊地研×厚地康雄×加治屋百合子 同世代!ダンサーズ・トーク 参加レポート【Hearts for Artists/バレエのイベント】

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ヒューストン・バレエ団プリンシパルの加治屋百合子さんが代表をつとめるアーティスト支援のプロジェクト〈Hearts for Artists〉(ハート・フォー・アーティスト)のバレエダンサートークイベント。

今回は7月15日(水)に開催された「平野亮一×菊地研×厚地康雄×加治屋百合子 同世代!ダンサーズ・トークの参加レポートです。

〈Hearts for Artists〉のイベントの収益は公益基金《舞台芸術を未来に繋ぐ基金》に寄付されます。今回もZoomウェビナーのシステムを利用したイベントで参加費用は1,000円でした。

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*トークの言葉遣いなどは正確ではありません。およその内容としてご覧ください。

平野亮一×菊地研×厚地康雄 プロフィール

平野亮一 英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル

2001年:ローザンヌ国際バレエコンクールでプロフェッショナルスカラーシップ賞を受賞し、研修生として英国ロイヤル・バレエ団へ入団
2002年:英国ロイヤル・バレエ団に正式入団
2012年:ファーストソリストに昇格

2016年:プリンシパルに昇格

菊池研 牧阿佐美バレヱ団 プリンシパル

2001年:牧阿佐美バレヱ団入団。入団後ローラン・プティ「デューク・エリントン・バレエ」のソリストに抜擢される。同年ボリショイ・バレエ学校に短期留学

2003年:「くるみ割り人形」王子役で初の主役をつとめる

2004年:プティの指名により、パリ・リヨン・ボルドー・モスクワで上演された、ローラン・プティのガラ公演に、ただ一人の日本人として参加。

現在は牧阿佐美バレヱ団プリンシパルとして活躍。

厚地康雄  バーミンガム・ロイヤルバレエ団プリンシパル

2003年:英国ロイヤル・バレエ学校に入学。

2006年:バーミンガム・ロイヤルバレエ団に入団。

2010年:新国立劇場バレエ団に移籍

2013年:バーミンガム・ロイヤルバレエ団にファースト・アーティストとして再入団

2017年:ファースト・ソリストに昇格

2018年:プリンシパルに昇格

厚地さんの女優ライト?

今回のトークは加治屋さんがヒューストン、菊池さん厚地さんが日本、平野さんはロンドンから参加。加治屋さんは白黒のギンガムチェックのトップス(ワンピース?)、厚地さんは白いポロシャツ、菊池さんは白いボタンダウンシャツ、平野さんは「ROCKET…(2行目は画面から切れて読めず)」と書いてあるネイビーのTシャツ姿。

前回の加治屋さんとのトークで平野さんが宇宙オタクであることが判明しましたが、このTシャツも宇宙絡みの一枚でしょうか。

 前回対談で、平野さんはNASAのTシャツを着用!↓

www.balletaddict.com

 はじめのご挨拶のところで、みんなに「顔が赤い」と指摘される厚地さん。「実は…」と、顔にスタンドのライトを当てていたことを明かしていました!「少しでもよく見えるように」と話す厚地さん、並の女子より女子力が高いです(笑)みんなに消した方が自然と指摘され、スタンドの電気を消して対談がスタート!

 

4人の出会いやエピソード

3人と加治屋さんとのつながりは、菊池さんは今回がはじめまして。平野さんと厚地さんとの出会いは「ローザンヌ・ガラ」。

Hearts for Artists〉のイベントで加治屋さんとゲストダンサーとの繋がりを聞くと「ローザンヌ・ガラ」がとても貴重な機会だったことがわかります。「ローザンヌ・ガラ」は今はなき青山劇場で2004年から2013年まで4回開催された、ローザンヌ国際コンクールの歴代入賞者によるガラ公演。2010年の「ローザンヌ・ガラ」には平野さんと加治屋さん、2013年には平野さん、厚地さん、加治屋さんが出演しています。

お互いについてのエピソードでは、平野さんは「(10代のころコンクールでよく一緒になっていた)研ちゃんの家に泊まりにいったのを覚えている」「引っ越した新しい家に遊びにきて、はじめて吐く人はやっくん(厚地さん)(笑)」。

厚地さんは菊池さんと福島の公演で一緒だったとき、打ち上げで菊池さんに白いTシャツに凍ったブルーベリーを投げつけられたあと、Tシャツを破かれた(!)ことを話していました。この3人にはお酒がらみのエピソードがたくさんありそうです(笑)

20代と比べバレエへの取り組み方は変化したか?

30代半ばのみなさん、ちなみに年齢は、平野さん>菊池さん=加治屋さん>厚地さん。キャリアを重ねてバレエへの取り組みは変わってきているのでしょうか?

厚地さん「責任感、一つ一つの舞台の重みが違う。以前よりよく練習するようになった。下から上がってくる若い人も納得するプリンシパルでないと」

菊池さん「20代はキャリア以上に構えすぎてた。重圧の捉え方が変わり、今の方が楽しい。」

加治屋さん「20代はとにかく認めてもらおうと余裕がなかった。リハーサルから150%力を出すとか」

平野さん「やはり20代とは体力が違う。今はリハーサルが全てじゃないことがわかり、(リハーサルで)疲れすぎても影響がでる。自分のペースで今日できる限りの事を精一杯するように。視野が広くなった」

長く踊り続けるためにやった方がいいことという質問には、平野さんが足腰の筋力トレーニング、特に男性はジャンプやリフトがあるので」とおっしゃっていました。

バレエをやめたい9歳の男の子へのアドバイス

バレエをやめたいと言っている9歳の男の子のお母さんからの質問に対しての3人の答えからは、男の子がバレエを続けるための重要な条件が明らかに!

お兄さんの平野啓一さん(元ナショナル・バレエ・オブ・カナダ ファースト・ソリスト)と一緒にバレエをやっていた平野さん自身はやめたいと思ったことはないとのこと。

5歳でバレエをはじめた厚地さんは、「男の子が一人でつまらなかった。中学で一度やめたのち、お教室の先生に一公演だけと頼まれて戻ったら同年代の男の子がいて急に楽しくなった」と話されていました。

菊池さんのバレエ教室には八幡顕光さんがすぐ後に入ってきたし、4歳上ぐらいのお兄さんたちがいたとのこと。

バレエ男子人口は以前より増加しているとはいえ、普通のバレエ教室ではまだまだ「自分以外に男の子がいたらラッキーな環境」。自分以外に男の子がいるかどうかは、男の子がバレエを楽しく感じられるかどうかの重要なポイントのようです。加治屋さんも男の子のお母さんに、ワークショップなど友達と知り合う機会があればいいかも、とアドバイスされていました。

また厚地さんいわく、「男性ダンサー同士はすぐ仲良くなる」。それを聞いて「女性の方がバチバチがあるかも」と加治屋さん。菊池さんも「言葉がわからなくてもすぐに仲良くなり、難しい技を一緒に練習したりする」とボリショイ留学を振りかえっていました。

好きな役、好きな作品は?

厚地さんは『ロミオとジュリエット』(マクミラン版)のロミオ。『じゃじゃ馬馴らし』(クランコ版)。

菊池さんは、ローラン・プティ振付『ノートルダム・ド・パリ』のカジモド。視聴者からも「やっぱり菊池研さんといえばカジモド」というコメントが。

平野さんははじめは『マノン』のレスコーの酔っ払うところが得意と話されましたが、忘れられない公演として、ロサンゼルスツアーの『マイヤリング(うたかたの恋)』の主演(ルドルフ皇太子)をあげました。ずっとライバルでもあり、背中を見てきたお兄さんの平野啓一さん(カルガリー在住)にロイヤルで主演をやっているところを初めて観てもらったことがとても嬉しかったとのこと。

その時の心情を平野さん自身がつづっている記事↓

www.absolute-london.co.uk

しかし、この話のあとに平野さんは厚地さんだけに「おれ、いい話したやろ」とダイレクト・メッセージを送っていたことが判明(笑)!照れ臭かったのかもしれませんね。

最後はビールで乾杯!

二日酔いで踊れなくなることは?」という質問に、平野さん、厚地さん、アクリ瑠嘉さんの3人で飲んだ時のエピソードが披露されました。厚地さんは翌日バーミンガム・ロイヤルのガラでパ・ド・ドゥだけを踊る予定でしたが、ひどい二日酔いで受ける予定の英国ロイヤル・バレエでのクラスレッスンに遅刻。一方、平野さんは翌日ロイヤルの公演で『マノン』全幕のレスコーを踊ったそうです!「酔った人の演技を予行演習した」とのことでした(笑)

こうして話は尽きず(ほとんど恒例になっていますが)トークは予定時間を大幅オーバー。 お酒の話題が多かった今回のトークにふさわしく(笑)、最後はそれぞれがビールを取りに行き(加治屋さんだけは朝なのでジュース)乾杯!でしめくくられました。

ちなみにzoomウェビナーでは、トーク中に視聴者がチャットで質問を書き込めるようになっていて、多くはトーク中に回答されます。さらに今回は答えきれない質問に平野さんがトークをしながら、自らチャットで回答されていました!(その回答によると平野さんのよく飲むお酒はビール、ワイン、ウィスキー、シャンパンとのこと(笑))

 

Hearts for Artists〉今後の予定

今後もトークやオンラインレッスンが8月上旬まで続く予定です。

7月23日(木・祝)から26日(日)までの4連休には、久々のオンラインレッスンも含めて、4日連続、5イベント開催!岩田守弘さん小野絢子さんも登場します。

トーク中に加治屋さんが厚地さん経由で英国ロイヤル・バレエ団のアクリ瑠嘉さんにも連絡していると話されていたので、今後の登場もある…かも?

 

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《舞台芸術を未来に繋ぐ基金》について

〈Hearts for Artists〉が寄付を行う《舞台芸術を未来に繋ぐ基金》は、コロナ禍で大きな影響を受けた舞台芸術に携わるアーティスト・クリエーター・スタッフ(個人・団体・企業問わず)の今後の活動に向けた金銭的支援を目的として設立された基金です。

2020年8月25日までクラウドファンディングで寄付を募っています。一口3,000円から寄付が可能です。

《舞台芸術を未来に繋ぐ基金》https://www.butainomirai.org/

おわりに

トークの中でも男性ダンサー同士はすぐに仲がよくなるという話が出ていましたが、3人の中の良さが伝わるダンサーズ・トークでした。今まで参加したトークの中では一番リラックスした雰囲気だったかも。途中で平野さんがトイレに立つという一幕も(笑)豪快な平野さん、気遣いの菊池さん、いじられキャラの厚地さんという3人の個性がよくわかり、楽しかったです!

8月上旬まで続く〈Hearts for Artists〉のイベント。参加することが、すっかり生活の一部になっています。終わったら寂しくなってしまいそう…

 

 

 ★最後までお読みいただきありがとうございました。