日本では3月6日(金)から封切られる英国ロイヤル・バレエ団の映画「ロミオとジュリエット(ROMEO AND JULIET)」。
再現された16世紀のヴェローナの街並で繰り広げられるケネス・マクミラン版の「ロミオとジュリエット」を映画ならではのカメラワークでとらえた作品です。ジュリエットは公開中の映画「キャッツ」への出演でも話題のフランチェスカ・ヘイワード、ロミオはファースト・ソリストのウィリアム・ブレイスウェル。
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作品概要
監督:マイケル・ナン
撮影監督:ウィリアム・トレヴィット
振付:ケネス・マクミラン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
美術:ニコラス・ジョージアディス
【キャスト】
ジュリエット:フランチェスカ・ヘイワード
ロミオ:ウィリアム・ブレイスウェル
ティボルト:マシュー・ボール
マキューシオ:マルセリ-ノ・サンベ
ベンヴォーリオ:ジェームズ・ヘイ
パリス:トーマス・ムック
キャピュレット卿:クリストファー・サウンダース
キャピュレット夫人:クリステン・マクナリ-
乳母:ロマニー・パイダク
ローレンス神父:ベネット・ガートサイド
ロザライン:金子扶生
バレエボーイズって?
注目したいのは監督のマイケル・ナンと撮影監督のウィリアム・トレヴィット。共に英国ロイヤルバレエ団出身。1998年に熊川哲也と共に英国ロイヤルバレエ団を退団し、日本でKバレエ・カンパニーの設立に参加しますが、Kバレエ・カンパニーが古典中心にかじを切ったことから、英国に帰国し2000年にダンスカンパニー「バレエボーイズ(BALLETBPOYZ)」を結成しています。
こちらはYouTubeの公式チャンネル
バレエボーイズはさまざまな舞台、映像作品などの企画製作、ワークショップ、クラスレッスンなどをおこなっています。2007年ボリショイ・バレエの内幕を描いたドキュメンタリー「Strictly Bolshoi」ではエミー賞を受賞。
「Strictly Bolshoi」
振付家クリストファー・ウィールドンとボリショイバレエ団の葛藤!
冒頭からマイケル・ナンとウィリアム・トレヴィットが登場します。
マイケル・ナンとウィリアム・トレヴィットは、英国ロイヤルバレエ団退団前後、自分たちでカメラを回して当時ゴタゴタしていたバレエ団内部のドキュメンタリー映像を撮影。4部作のドキュメンタリーはテレビでも放映されたとのことで、バレエと映像という2つの世界でのキャリアは筋金入り。
「ロミオとジュリエット」はバレエと映像の世界の両方を熟知している彼らだからこそ、実現した映画なのでしょう。
ロミオ役に抜擢されたウィリアム・ブレイスウェル
もうひとつ注目したいのはロミオ役に抜擢されたたファーストソリストのウィリアム.・ブレイスウェル。先日のガラ公演「輝く英国ロイヤルバレエのスター達」にも出演していました。「コッペリア」「ロミオとジュリエット」「ラ・シルフィード」の3演目を踊りましたが、踊る役によってかなり雰囲気が変わるのが面白かった。
ウィリアム.・ブレイスウェルはイギリスのウェールズ出身。11歳からロイヤル・バレエ学校で学んでいます。
2007年 ヤングブリティッシュダンサーオブザイヤー受賞
2010年 ユースアメリカグランプリでグランプリ受賞
YAGP受賞者映像。ブレイスウェルは一番最後5:28あたりから登場します。
ちなみに、彼の前は オニール八菜さん!
2010年 バーミンガムロイヤルバレエ団に入団
2012年 ファーストアーティストに昇進
2014年 ソリストに昇進
こちらはバーミンガムロイヤル時代のシンデレラのリハーサル。
2017年 ソリストとして英国ロイヤルバレエに入団
2018年 ファーストソリストに昇進
なぜかクッキーのアイシングに挑戦するウィリアム.・ブレイスウェル 笑。
ロミオはマシュー・ボールかな、と勝手に予想していたのですが、フランチェスカ・ヘイワードと並んだ時のビジュアルのバランスはやはり彼の方がいいですね。
そして予告を見るとマシュー・ボールのティボルトもなかなか似合ってます。
おわりに
劇場で踊られるバレエを、実際の街並みなどで撮影して映画にする…
これ、ありそうでなかったですよね。
英国ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマやボリショイ・バレエ in シネマは、あくまでも劇場中継だし、バレエを題材にした映画はドキュメンタリーだったり、有名ダンサーの伝記的なものだったり、内幕ものだったり…
新たな手法として面白いかも…でも「白鳥」「眠り」なんかはまず無理だし 笑。物語バレエ、「椿姫」「マノン」「オネーギン」あたりなら可能かな。意外に、特撮を駆使して「不思議の国のアリス」なんかも面白いかもしれません。
新たなバレエの魅力が発見できそうな映画版「ロミオとジュリエット」、公開が待ち遠しいです!
映画と比較してみよう!
マクミラン版「ロミオとジュリエット」2012年収録版
ロミオはフェデリコ・ボネッリ、ジュリエットはローレン・カスバートソン。
★最後までお読みいただきありがとうございました。