日本バレエ協会公演『ドン・キホーテ』を鑑賞しました。初日の2月4日(土)の公演、キトリは水谷実喜さん、バジルはアクリ瑠嘉さん。
ちょっと遅くなりましたが、簡単な感想メモです。
公演概要
日本バレエ協会公演『ドン・キホーテ』全3幕
2月4日(土)18:00開演
東京文化会館 大ホール
新演出・振付:マシモ・アクリ
指揮:冨田 実里
演奏:ジャパン・バレエ・オーケストラ
舞台監督:森岡 肇
照明デザイン:沢田 祐二
衣 裳:吉田 牧子(タウンステージ)
【キャスト】
キトリ:水谷実喜(バーミンガム・ロイヤル・バレエ/プリンシパル)
バジル:アクリ瑠嘉(英国ロイヤル・バレエ/ファースト・ソリスト)
エスパーダ:遅沢佑介(K-BALLETCOMPANY/名誉プリンシパル)
ドン・キホーテ:保坂アントン慶
サンチョ・パンサ:奥田慎也
メルセデス:渡久地真理子
ジャネッタ:高橋夏海
ビッキリア:オーム・ソフィア
ガマーシュ:伊坂文月
ロレンツォ:柴田英悟
森の女王:田山修子
アムール(キューピッド):森岡 恋
【上演スケジュール】
第1幕 50分
休憩20分
第2幕 30分
休憩15分
第3幕 45分
都民芸術フェスティバル参加公演。3回の公演の主演は、水谷実喜×アクリ瑠嘉、川島 麻実子×厚地康雄、長崎 真湖×浅田 良和。オーディションで選ばれたさまざまなバレエ団やフリーダンサーが参加し、その数なんと150名!
マシモ・アクリ版『ドン・キホーテ』
今回の『ドン・キホーテ』は、マシモ・アクリさんによる演出・振付でした。この回のバジル、アクリ瑠嘉さんのお父さんであり、数多くのダンサーを輩出しているお教室、アクリ・堀本バレエアカデミーの主宰者でもあります。
演出の目新しいところでは、酒場のシーンでのバジルのソロの音楽が『パキータ』のパ・ド・トロワの曲だったり、同じく酒場のシーンでガマーシュのソロがあったり。
3幕は「ファンタンゴ」ではなくて「ボレロ」のバージョン。グラン・パ・ド・ドゥの第2バリエーションは、女性ダンサー4人による踊りでした。
明るいバジルとしっかり者のキトリ
この公演のチケットを買ったのは、昨年12月に観た英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマの『うたかたの恋-マイヤリング-』でブラットフィッシュを演じていたアクリ瑠嘉さんがとてもよかったから。観るたびに踊りがクリアになるなぁと感じ、主役を踊る瑠嘉さんを観たくなりました。
期待通り、キレのあるテクニックと明るいキャラクターがバジルにふさわしかったです。
キトリは『NHKバレエの饗宴』の「パ・ド・カトル」での活躍が記憶に新しい水谷実喜さん。アクリ瑠嘉さんとは意外な組み合わせと思いきや、水谷実喜さんはアクリ・堀本アカデミーの出身なんですね。今はともにイギリスのバレエ団で踊っているおふたり、イギリスでもこの公演のリハーサルをしていたようです。
水谷さんもしっかりしたテクニックが素晴らしかった。特に回転の精度がすごい。どちらかといえばドルネシア姫の方がはまるタイプかなと思いましたが、しっかり者のキトリというムードは、軽やかな瑠嘉さんのバジルとのバランスがよかったです。
いい写真!水谷実喜さんのインスタグラムより。
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Kバレエ勢のエスパーダとガマーシュ
バジルとキトリを盛り上げていたのは、エスパーダの遅沢佑介さん(Kバレエカンパニー/名誉プリンシパル)、ガマーシュの伊坂文月さん(Kバレエカンパニー/ゲスト・アーティスト)。Kバレエ勢はキャラが濃いなぁ。
昨年の日本バレエ協会公演『ラ・エスメラルダ』でもフロロが印象的だった遅沢佑介さん。白い衣裳のエスパーダはかっこよくて華がありました。ほかの回ではドン・キホーテ役だったようですが、それも似合いそうです。
伊坂文月さんのガマーシュは、なんともチャーミングだった。酒場のシーンのガマーシュのソロの踊りも軽やか。
森の女王を踊った谷桃子バレエ団の田山修子さんも印象に残りました。とても手足が長く、美しいラインのダンサーでした。
おわりに
この日は小道具を落としたり、キトリの衣裳の腕飾りが取れそうになったりと、アクシデントがいくつかおきてました。キトリの衣裳のアクシデントは舞台上の物語のなかで、きちんと処理されていましたが。
これだけ大所帯の選抜チームの公演、舞台裏はさぞかし大変なんだろうな…。
アクリ瑠嘉さんは6月の英国ロイヤル・バレエ団の公演でも来日します。
概要/英国ロイヤル・バレエ団/2023/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会
詳しいキャストの発表がまだなので、今のところ『ロイヤル・セレブレーション』の「FOR FOUR」の配役に名前があるだけですが、『ロミオとジュリエット』でも主要な役で活躍してくれそう。楽しみです。
昨年の日本バレエ協会公演『ラ・エスメラルダ』の感想はこちら。主演は米沢唯さん!
英国ロイヤル・バレエのアコスタ版。キトリは高田茜ちゃん!
★最後までお読みいただきありがとうございました。