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大人バレエとバレエ鑑賞を楽しむための情報発信ブログ

発表会が終わりました【大人バレエつれづれ】

発表会が終わりました。マスクをして酷暑のなかのリハーサル、きつかった…。

いまだ虚脱状態(ブログも放置状態)ですが、今の心境を記録しておきます。

 

この記事を書く前に昨年の発表会のあとの記事を読んだのですが(←何を書いたかまったく覚えてない)、考えることってけっこう変わるんだな〜と思いました。

昨年の感想はこちら↓

www.balletaddict.com

 

昨年の記事に書いた発表会後の心境は「年取ったな、私」。今の自分を受け入れるしかないと、かなり諦めモードな心のうちを綴っています。

 

ところが今年感じたのは…

変わりたい!」。

 

リハーサルで自分が踊っている動画を繰り返し見ていたら、心底「変わりたい!」と思えてきたのです。

もちろん「年取ったな、私」も昨年同様に強く感じてはおりますが、心の奥底には小さな炎がチラチラしております。

 

10年以上習っても全然改善されないアンディオール、脚の付け根をひく癖、伸びない膝…

根本的には全然上達していない…

 

こんなんでいいのか、私?

 

これらの課題については、自分なりに意識して直そうとしてきたつもりでいたけれど、「つもり」になっているだけでは…と思えてきました。

 

たとえば、「自分のアンディオールはこの程度…」と無意識のうちにあきらめていなかったか?これ以上のアンディオールに必要な筋力や柔軟性がレッスンのなかで身につかないとすれば別の方法で補うしかないのに、それをやろうとしてきたのか?

 

…と、反省することしきり。

なんで、今年はいきなり反省スイッチが入ったんだろう?

 

やっぱり年齢をひしひしと感じるようになって、今のままで終わりたくない!と思うようになったのかも。

 

蜃気楼のように、遠くの方に薄っすら見える美しい「バレエの王国」。

ヨロヨロと道半ばにして倒れ、「ああやっぱり辿り着けなかった」と涙する私。(←どんな妄想 笑)

 

このまま、

レッスンによる上達<<<加齢による後退

となっていくことは絶対に避けたい…

 

本来はレッスンの回数を増やすのが一番なのかもしれませんが、現状なかなか難しい。

というわけで、まずは苦手克服の目的意識を持って、自宅での柔軟や筋トレを変えてみました。いままでも細々と柔軟や腹筋をやってはいたものの、単なるルーティンになってる気がしてました。ストレッチとかは、ついついやってて気持ちがいい(まあこれも必要なんででしょうが)得意なやつとか、効果が見えやすいやつばっかりやっちゃうんですよね。

 

特に取り組んでいるのは長座。足を前に伸ばして床に座る姿勢です。

私は長座の姿勢が一番苦手です。骨盤が立たず、長座の姿勢での前屈も全然できません。

長座が苦手な原因を調べると、脚の裏側の筋肉が硬い、骨盤周りが硬い、猫背で骨盤が後傾しやすい、背筋が弱い、腹筋が弱い、腸腰筋が弱い…といっぱい出てきます。

全てにあてはまっている!

そして、このあたりの弱さ、硬さが、バレエの基本姿勢を身につけるうえで大きな妨げになっている気がします。まずはここを改善したい。

 

また、プリエやタンデュなどの基本的な動きを、正しい姿勢を意識しながら、ゆっくり繰り返しおこなうというのも始めてみました。

 

参考にしているのが、石井久美子さんが親戚の6歳の女の子、さやちゃんにレッスンしている動画。今の私に必要なものばかりな気がするこのレッスン…まずはここからやり直したい!

www.youtube.com

 

来年の今頃、「こんなこと言ってたんだ〜」とすっかり忘れてるようなことがないように、頑張ります 笑。

★最後までお読みいただきありがとうございました。

バレエ公演のチケットを家に忘れたらどうなるか【バレエ鑑賞メモ・番外編】

いつかやるんじゃないかと思ってましたが、ついにやってしまいました…。

バレエ公演にチケットを持っていくのを忘れるという大失態!

楽しみにしていた『ロイヤル・バレエ・ガラ Bプログラム』(まだ感想を記事にできてませんが…)の公演で。

 

結論からいうと、公演は観ることができました。チケットを忘れたらどうなるか、バレエ鑑賞メモ・番外編です。

 

その日は公演を観た後に発表会の全体リハーサルに向かう予定でした。(しかも公演は最後まで観られず、途中で抜ける予定だった。)

バレエの普段のレッスン用品一式に加え、リハーサル用の持ち物を用意し(シニヨン用のネットとかスプレーとかいろいろね…)、でも公演も観るんだからオペラグラスも舞台鑑賞用のメガネも忘れずに…と、忘れ物がないように散々確認し、大荷物で家をでました。

チケットを持ってこなかったことに気がついたときには、もうオーチャードホールのすぐ近くまで来ていた。が〜ん!!

今から引き返しても間に合いそうもない…。

血の気が引きました。

 

衝動的に回れ右して、駅の方に戻り始めてしまった私。どうする…どうする…呆然としばらく歩いた後、まずは会場に行って聞いてみるべきだと、当たり前のことに気がつきました。チケットを忘れてくる人、きっと私以外にもにもいるはずだ…。

再びオーチャードホールへと小走りで引き返し、会場入り口脇の当日チケット受け取り窓口のスタッフの方に「チケット忘れてしまったんですけど、観られないんでしょうか?」と尋ねてみました。

スタッフの方は即答でした。

「ご購入者様の確認ができれば、大丈夫でございます!」

この言葉を聞いたときの、安堵感と言ったら!

 

スタッフの方の手元には、購入者リストが用意されていました。どこでチケットを購入したかと、名前を名乗るとすぐに席の確認ができました。

私の場合は主催者のNBS(日本舞台芸術振興会)からチケットを買っていたので、名前で照合しましたが、ほかのチケットセンターで買っている場合は確認の仕方が違うのかもしれません。

「開演5分前にお席の空席を確認して、もう一度お呼びいたします。お暑い中恐れ入りますが、開演5分前までお待ちください」

なるほど〜。

購入者にになりすまして、チケットなしで入場しようとする人がいるってことですかね。

 

まだ時間があったので、Bunkamuraでトイレを済まして(オーチャードホールでよかった)、会場入り口に戻ると、当日チケット受け取り窓口付近には、4〜5人の人が待っていました。

この人たちも多分チケットを忘れて来たんだな(←ちょっと親近感 笑)。

5分前になるとスタッフの方が外にでてきて、順番に名前をよび、「仮発行チケット」という手書きのチケットを渡してくれました。名前じゃなくて番号で呼ばれてる人もいました。NBS以外でチケットを購入した人なのかな?

あとは普通に入場、鑑賞できました。

 

スタッフの方の対応は、手慣れたものだったので、チケット忘れのお客さんは毎回一定数いるんでしょうね。

というわけで、公演チケットを忘れてしまったら、まずは劇場窓口に相談、ですね。

 

*あくまでもNBS主催公演における個人の体験ですので、ご参考まで。

★最後までお読みいただきありがとうございました。

パリ・オペラ座バレエ シネマ『ジェローム・ロビンズ・トリビュート』【バレエ鑑賞メモ】

今更…なのですが(汗)、6月末に鑑賞したパリ・オペラ座バレエシネマ2022『ジェローム・ロビンズ・トリビュート』の簡単な鑑賞メモです。

 ジェローム・ロビンズ振付の4作品「ファンシー・フリー」 「ダンス組曲」「牧神の午後」「グラス・ピーシズ」を大スクリーンで楽しみました。

上のシネマのチラシの『ジェローム・ロビンズ・トリビュート』のビジュアルがかっこいい。さすがパリ・オペラ座。

上演概要

パリ・オペラ座シネマ2022『ジェローム・ロビンズ・トリビュート』

収録日:2018年11月8日 

場所:パリ・オペラ座 ガルニエ宮

上映時間:1時間42分

演目:「ファンシー・フリー」「ダンス組曲」「牧神の午後」「グラス・ピーシズ」の4演目

振付:ジェローム・ロビンズ

指揮:ワレリー・オブシャニコフ 

演奏:パリ・オペラ座管弦楽団

芸術監督:オーレリ・デュポン

 

バレエのみならず、 「ウエスト・サイド・ストーリー」「王様と私」「屋根の上のヴァイオリン弾き」 などの大ヒットミュージカルや映画の振付でも広く知られるジェローム・ロビンズ。そのジェローム・ロビンスの生誕100周年を記念して2018年に上演されたガラ公演の映像です。

「ファンシー・フリー」1944年、「牧神の午後」1953年、「グラス・ピーシズ」1983年、「ダンス組曲」1994年。50年にわたる幅広い年代の作品が観られるプログラムでした。

「ファンシー・フリー(Fancy Free)」 

音楽:レナード・バーンスタイン

振付:ジェローム・ロビンズ 

装置:オリヴァー・スミス

衣裳:カーミット・ラヴ

照明:ジェニファー・ティプトン

キャスト:

エレオノーラ・アバニャート

アリス・ルナヴァン

ステファン・ビュリオン

カール・パケット

フランソワ・アリュ

オーレリア・ベレ

アレクサンドル・カルニアト

ロビンズの振付家としてのデビュー作品にして、大ヒット作品「ファンシー・フリー」。休暇中の海兵隊の3人組が女性をナンパ( 死語?)するコミカルなストーリー。バレエとショーダンスを融合させたロビンズならではの振付。なかでも女性たちへのアピールタイムのように、3人がそれぞれに踊りを披露する場面がみものです。

フランソワ・アリュのパワフルで躍動感ある踊り、カール・パケットの甘さのあるエレガントな踊り、ステファン・ビュリオンのちょっとセクシーでコミカルな踊り。3人それぞれの個性が生きていてとてもよかった。なかでもステファン・ビュリオンがとにかく軽快で、ムードがあって素敵でした。今年引退してしまったステファン・ビュリオン。もうこの踊り、舞台では観られないのですね…。

パリ・オペラ座の公式チャンネルより。ステファン・ビュリオンのパート。

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エレオノーラ・アバニャートも艶っぽさが役に合っていました。

また気になったのが、バーのバーテンダー役のアレクサンドル・カルニアトというダンサー。渋くて存在感があり、バーの客たちの様子にかすかにリアクションする演技が絶妙でした。

 

この演目を観て思い出したのは、リアム・スカーレット「不安の時代 The Age of Anxiety」(2014年)。バーンスタインによる音楽、バーが舞台というシチュエーションも同じ。2作品のムードは全く異なりますが…もしかすると「ファンシー・フリー」のトリビュート作品だったのでしょうか?

(ジェーロム・ロビンズ自身にも『不安の時代 The Age of Anxiety』という作品があるようですが、そちらは未見。動画も見つけられず、どんな作品かわからず…。)

「ダンス組曲(A Suite of Dances)」

音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ 

振付:ジェローム・ロビンズ

衣裳:サント・ロカスト 照明:ジェニファー・ティプトン

チェロ:ソニア・ヴィーダー=アサートン

キャスト:マチアス・エイマン

ミハイル・バリシニコフのために振り付けられたというこの作品。

チェロを持った演奏家と、赤い衣裳マチアス・エイマンが、向かい合うように舞台の下手に座っているところからスタート。バッハの「チェロ組曲」と戯れるような作品でした。散りばめられたユーモア、舞台上の楽器とのからみなど、「アザー・ダンシズ」を思わせる部分も。

エイマンの音楽と一体になった踊りがすばらしかったです。エイマンは女性と組む踊りより、こういうソロの踊りの方がのびのびしている気がする。

パリ・オペラ座バレエの公式サイトより。

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「牧神の午後(Afternoon of a Faun)」

音楽:クロード・ドビュッシー

振付:ジェローム・ロビンズ

装置:ジャン・ローゼンタール

衣裳:イレーヌ・シャラフ

照明:ジェニファー・ティプトン

キャスト:

ニンフ/アマンディーヌ・アルビッソン

牧神/ユーゴ・マルシャン

「牧神の午後」といえば、ニジンスキー振付の作品が有名ですが、ロビンズの作品の舞台はバレエのスタジオ。牧神もニンフもバレエの稽古着で登場します。

舞台の3方にはレッスンバーが設けられ、客席側は鏡という設定が秀逸。客席を見る牧神の視線は、実は自分自身を見ている。牧神とニンフも鏡越しにお互いを見ていて、2人の視線はなかなか直接交わらない。

この演目のユーゴ・マルシャンの一点の曇りもないような美しさはちょっと恐いぐらいでした。まさに夢をみているような…。

最近ややマッチョ化してる(腿の筋肉とか…)気がするマルシャンですが、この収録の時ぐらいのバランスがベストな気がする(←勝手なことをいいますが!)。

アマンディーヌ・アルビッソンもしなやかで美しかったですが、ニンフ感はあまりないかもしれません。

パリ・オペラ座バレエの公式サイトより。何度見てもユーゴ・マルシャンに魂を持っていかれる…。

www.youtube.com

「グラス・ピーシズ(Glass Pieces)」

音楽:フィリップ・グラス

振付:ジェローム・ロビンズ

装置:ジェローム・ロビンズ/ロナルド・ベイツ 

衣裳:ベン・ベンソン

照明:ジェニファー・ティプトン 

キャスト:セウン・パク、フロリアン・マニュネほか

フィリップ・グラスはアメリカの作曲家。数々の映画音楽やオペラなどの作品があります。

36人のダンサーによる万華鏡のような踊りが繰り広げられる、3部構成の作品です。

カラフルな稽古着のダンサーたちが舞台を縦横に歩いているなかから、ふいにソリストたちが現れる部分や、舞台の奥をシルエットのダンサーたちが列になって少しずつ進んでいく様子、白に黒の格子の光る背景に浮かび上がるダンサーたちなど、視覚的に新鮮でハッとさせられるシーンが多かったです。

おわりに

ロビンズの作品では「アザー・ダンシズ」が大好きなのですが、今回のガラでは多様な魅力を知ることができて面白かったです。

9月にはスター・ダンサーズ・バレエ団がロビンズの「コンサート」と「牧神の午後」を上演するので、楽しみにしています!「牧神の午後」は誰が踊るんでしょうか?

The Concert スコッチ・シンフォニー/牧神の午後/コンサート(国内バレエ団による初演) | STAR DANCERS BALLET

 

2008年収録。「コンサート」が収録されています↓

 

★最後までお読みいただきありがとうございました。