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新国立劇場バレエ団『DANCE to the Future 2023』【バレエ鑑賞メモ】

新国立劇場バレエ団のダンス公演『DANCE to the Future 2023』を鑑賞しました。初日の3月24日(金)の公演。

いつもながら、コンテンポラリーダンスの感想を書くのは難しい…簡単な感想メモです。

 

公演概要

『DANCE to the Future 2023』新国立劇場バレエ団

2023年3月24日(金)19:00開演

新国立劇場 小劇場
芸術監督:吉田都

Choreographic Groupアドヴァイザー:遠藤康行

照明:眞田みどり
音響:仲田竜太

【上演スケジュール】

第1部25分

休憩15分

第2部25分

休憩15分

第3部15分

 

新国立劇場バレエ団のダンス公演のシリーズ企画「DANCE to the Future」。2022/2023シーズンの「DANCE to the Future」は、新国立劇場バレエ団から振付家を育てるプロジェクト「NBJ Choreographic Group」から生まれた5作品と、アドヴァイザーの遠藤康行さん振付の招待作品1作品。

残念ながら、当初予定されていた木村優里さん振付・出演による『禁じられた遊び』は、ご本人の怪我により上演取り止めになりました。

 

公式チャンネルの作品紹介。振付したダンサー自身が作品を紹介しています。

新国立劇場バレエ団「DANCE to the Future 2023」作品紹介|The National Ballet of JAPAN “DANCE to the Future 2023” - YouTube

プログラム

『Ray of light』振付:池田理沙子

音楽:イルマ

演奏:蛭崎あゆみ
出演:五月女遥 池田理沙子

舞台上に置かれたピアノ。蛭崎あゆみさんの演奏に合わせて、白い衣裳の五月女遥さんと黒い衣裳の池田理沙子さんが、光と影のように踊る。

いつ観ても、クラシックでもコンテンポラリーでも、五月女遥さんの動きはシャープで澱みがないなぁと感じます。

 

『echo』振付:福田紘也

音楽:トム・ティクヴァ

衣裳:山田いずみ
出演:小野寺雄 川口 藍 上中佑樹 横山柊子 渡邊拓朗 福田紘也

3月末での退団が発表されている福田紘也さんの振付作品。ご自身も出演されていました。

白い衣裳の6人のダンサーのダイナミックな踊り。次々に変化していく、万華鏡のようなフォーメーションの面白さが印象に残りました。

福田紘也さんのインスタグラムによると、今後は裏方の仕事をされるそう。(作品紹介動画ではご自身が「最後の作品」という言葉を使われていましたが、退団後は振付のお仕事はされないのでしょうか?「DANCE to the Future」としては最後ということかな?)

『L'isle Joyeuse 喜びの島』振付:柴山紗帆

音楽:クロード・ドビュッシー
出演:赤井綾乃 徳永比奈子

作品名はドビュッシーの楽曲のタイトルから。この楽曲は初めて聴いたのですが、輝きに満ちた美しい曲!

柴山紗帆さんがこの曲に惹かれ、思うままに振付けたことが伝わってくるような作品でした。踊っている赤井綾乃さん、徳永比奈子さんも楽しそうだった。

 

『After the show』振付:福田圭吾

音楽:ルイ・アームストロング 平木正宏
出演:石山蓮 福田圭吾

袖幕から突き出ている男の両脚とそれを見つめる福田圭吾さん。という幕開けが印象的。

ルイ・アームストロングの「What a wonderful world」にのせた作品ですが、曲調に反して作品のムードはむしろシニカル。観ているうちに、あの明るい曲がなんだか虚に響くようになるから不思議。

フレッシュでしなやかな石山蓮さんと、パワフルな福田圭吾さんの対比も面白い。

福田圭吾さんと大和雅美さんの振付・演出の公演『DAIFUKU à la carte』でも、「a day」という演目で共演していた石山蓮さんと福田圭吾さん。感想はこちら↓

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『Resonance』 振付:福田圭吾

音楽:ミカエル・カールソン
出演:渡邊峻郁 池田理沙子 柴山紗帆 五月女遥 宇賀大将 中島瑞生 廣田奈々 上中佑樹

作品紹介動画で福田さんが「珍しくクラシックベースで振付てみた」と話していたこの作品、新鮮でした。

スピーディーで躍動感あふれる振付は、観ていて爽快。

ダンサーたちは全員キレがよい。なかでも、五月女遥さんの歯切れの良さ、柴山紗帆さんの華やかさは際立っていました。

そしていつも注目してしまう中島瑞生さん。長くてしなやかな腕の動きに独特のムードがあって魅せられます。

 

そういえば、はじめて中島瑞生さんに注目したのも、「DANCE to the Future 」の公演でした。

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音楽はミカエル・カールソン。パリ・オペラ座の『PLAY』の音楽もこの方ですね。

男性は上半身裸で黒タイツ、女性は黒いシンプルなチュチュ。チュチュのボディ部分の両脇腹部分だけが、空いていて素肌が見えるデザインがカッコよかった。

 

*この公演の後、廣田奈々さんが怪我で降板されたという情報が出ていました(代役は奥田花純さん)。この日の本番ででしょうか?大きなケガでないことを祈ります。

3 in Passacaglia(招待作品) 振付:遠藤康行

音楽:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
出演:米沢唯 仲村啓 渡邊拓朗

 

冒頭、ひとりで登場する米沢唯さん。米沢さんのポアントで静止した脚のしなやかな筋肉が、陰影の強い照明で照らし出される…。息をつめて見てしまうような、緊迫感のある作品でした。

米沢さんは舞台で本当に大きく見えると再認識。

暗い照明の中、黒っぽい衣裳の男性ダンサーは、影のように、ときに黒子のように女性ダンサーと絡む感じ。

別の回の女性キャストは小野絢子さんで、そちらも観てみたかったな。

おわりに

ダンサーの息遣いが聞こえてくる小劇場。オペラパレスとはまた違った魅力がありますね。

★最後までお読みいただきありがとうございました。